モノクロ８＜ARS＞ (ページ13)

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斗真くんの家はこれまた高級マンションで

私が先にエントランスまで入って、後から斗真くんが入る

部屋はとってもシンプルな感じで、どこに座ればいいかわからない

斗「テキトーに座っていいよ」

にかって笑った時の顔がとっても好きで

またぽーってなっちゃう私を斗真くんが“コラッ”て小突いた

斗「もしかして、俺のファン？」

何か飲み物を持ってきてくれながら、そう訊かれたからこくこく頷いた

「斗真く、あ、斗真さんの演技がすっごく好きで…」

斗「斗真でいいし、タメでいいよ。なんか恥ずかしいから(笑)」

クスクス笑った斗真くんが、私の向かいに座った

「じゃあ、斗真くんで…」

斗「んはは、まさかAちゃんに会えると思わなかったなぁ。あいつらどう？」

「…すごく優しいです」

“敬語！”ってまた小突かれる

斗「俺らの事務所の中でかなり噂になってるもん。嵐がシェアハウス始めたうえに、一緒に住んでる子を溺愛してるって」

溺愛って…

確かに、可愛がられてるけど

みんなが私のことを好きだなんて未だに信じられない

斗「会わせてって言っても５人は絶対ダメって言うし…でも俺は会えてラッキー」

斗真くんが飲み物をゴクッて飲んだから、私も飲んだら桃の味がした

桃のお酒なのかな…

でも、いいや

少し酔いたい気分だもん

斗「５人が夢中になる女の子を部屋に連れ込んだら怒られちゃうかな？」

「斗真くんなら怒られないと思うよ」

斗「怒られそうだったらAちゃんに守ってもらおうっと」

にこにこした斗真くんが眩しい

うう、憧れの人に会うとこんな気持ちになるんだ

斗「ところで何で家に帰りたくないの？」

斗真くんの一言で

婚約者がいることや、さっき起きたことを全部話してしまった

途中で酔いもまわってきたせいか、余計なことまで話してしまったような気がする

だけど、そう気づいた時には

意識がなくなっていた

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起きたら、顔が真っ青になるっていうのを

連続でやらかすなんて思わなかった

斗「おはよ、Aちゃん」

画面越しでしか会えるはずなかった

憧れの人がひょっこりと扉で笑っていた

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