ヤンデレ探偵社員から逃げませう【文スト】 (ページ8)

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病み8 ページ8

昨日は散々であった。

あらゆる男に振り回され、体と精神はボロボロ。

本当に逃げ出したいのだ。

でも、それが出来ないのは、社長が私を助けてくれた張本人であるから。恩返しとしてここで働いている。

逃げ出すだなんて、恩を仇で返す行為、できっこない。

はぁ、と深いため息を着けば後ろから差し出される珈琲。

｢あ、ありがとうございます。国木田さん。｣

私の上司の1人である国木田独歩さん。

太宰さんよりもよっぽど頼りがいのある先輩なのだが、

こんなことを言うとストーカー太宰さんに何をされるか分からないので黙っておく。

｢いつも大変だな。お前には俺達も助かっている。｣

｢い、いえ…皆さんには異能がありますが、私は持っていないので…少しでも役に立てたらと…｣

そう言うと、謙遜するな、と嗜められた。

｢さて、昼はどうする？、夕食も決めておこう。昨日は一緒にいることが出来なかったからな。食べたいものはあるか？何でもいいぞ。俺の財布が空にならなければな。｣

微笑む国木田さん。

また、始まった。

国木田さんはたまにこうして私との予定を作ろうとする。
昼から夜までご一緒コースだ。

｢あ、あの、国木田さん、予定があるのでは？依頼とか…？｣

｢俺とお前が一緒にいることが、俺の理想だ。｣

そういい、手帳にスラスラと文字を書き始めた。

｢…あ、あの！｣

困っていると横から声が聞こえた。

｢くにき～だく～ん、困っているじゃあないかぁ。私の可愛い可愛いAちゃんをいじめないでおくれよぉ～

それに、抜け駆けは禁止だよ。｣

｢五月蝿いぞ、仕事もせずに先輩気取りとは、冗談はその行動だけにしておいてくれないか？俺は今、俺とAの理想を作り上げているのだ。

邪魔するなら消してやろうか。｣

私が、いるとこういった争いが起こるのもしばしば。

私って疫病神…？

そう思いながら、国木田さんと太宰さんの口喧嘩がおさまらない探偵社を後にした。

＊

｢A、今、迎えにいく。｣