episode8 ページ8
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待ちに待った日曜日。
「(どうしよう、緊張してきた………!)」
前髪崩れてないかな、服装変じゃないかな。
スマホの画面でチェックしては深呼吸しての繰り返し。
いつも大学で会っているはずなのに、外で会うのがこんなに緊張するものとは……。
深呼吸をして、待ち合わせ場所に向かうとすでに彼が立っていた。
…………え、かっこよすぎじゃない?
あれ、いつもかっこいいけどこんなにイケメンだったっけ。
オーラが違うというか……
ああ、ナンパされてる…!!
行きにくいな、と思っていたらその女の子たちをスマホをいじりながら軽く無視していた。
女の子が去ってからすぐに彼の元へ駆け寄る。
「俊介くんっ」
基「あ、Aちゃん!」
「ごめんね、お待たせ」
基「全然待ってないよ。俺もさっき着いたところだし。今日の格好いつもと雰囲気違っていいね」
「ほんと?!よかった〜…」
基「めちゃくちゃかわいい」
「っ、…ありがとう」
やばいやばい。顔見れない。
直接言われるのってこんなにも破壊力があるのか……
「さっき、ナンパされてたね」
基「うそ、されてた?」
「されてたよ。気づかなかったの?」
基「スマホしか見てなかったからなぁ」
「わたしの声にはすぐ反応したのに」
基「Aちゃんだからね」
「なにそれ、照れるよ」
基「事実だから。………行こっか」
肩を並べて歩きだす。これだけでも十分くらい幸せだ。
……………今日一日心臓もつかな。
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作者名:もものすけ | 作成日時:2023年10月29日 20時