episode4 ページ4
.
.
私が俊介くんと出会ったのは、大学生の頃。
人気者の彼と、いつもひとりでいるわたし。
正反対な自分達の接点は、とある授業で必ず隣の席になっていたこと。
基「ね〜、この先生の授業つまんないね」
「えっ、あ、そうですね…」
基「敬語じゃなくていいよ。同い年でしょ?」
「たぶん…」
基「じゃあタメで。いっつもここ座ってるよね。なんかこだわりとかあんの?」
「こだわりはないけど、1番姿消しやすそうだから」
基「なにそれ(笑)」
「で、でもあなたもいつもそこ座ってるよね?」
基「そうだね。なんでだと思う?」
大きな瞳がわたしの目をじっと見つめる。
そんなこと聞かれてもわかんないよ。
基「…………君に一目惚れしたんだよね、入学式の日」
「え、っ、……?!?!?!」
授業中に大きな声を出しそうになって慌てて口元を押さえる。
そんなわたしの姿を見てくすくす笑う姿に胸が鳴ったのを覚えている。
「冗談やめてよ。だって、あんなに人数いたんだよ?」
基「その中から見つけて恋したんだから本物でしょ」
「でもわたしのこと何も知らない…」
基「だから今、勇気出して話しかけたんだよ。いつも授業終わったらすぐ帰るじゃん」
話したいと思ってたのに、なんて言う彼の耳は少し赤くて、本当なんだなって思った。
授業が終わって、帰る準備ができたとき
「あの、」
基「ん?」
「友達からなら、いいよ」
基「まじ?!?!よっしゃー!!」
思いっきりガッツポーズをする。
そんなに嬉しいことなのかな。
基「じゃあL◯NE交換しよ」
そこで初めて知る彼の名前。
基「じゃあまた明日!!」
嵐のように現れた彼は、たった1時間でわたしの心を奪っていった。
22人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:もものすけ | 作成日時:2023年10月29日 20時