episode23 ページ23
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あの日から別れを告げることになったのは、
基父「おい、はやくあの子と別れろ」
基「、は?いや、別になんの業務にも影響出てないじゃん」
基父「近々社長になる奴にパートナーがいてたまるか」
基「そんなのおかいしでしょ」
基父「交際を認めるのはお前が一人前になってからだ!それまでは一切女関係は認めない!!」
基「なんだよそれ!」
基父「別れないって言うならこっちにも手はある。どうするかはお前次第だ」
なんで、なんでだめなんだよ。
俺にはAしかないないのに。
でも、このまま付き合っていたら本当に何されるか分からないところまで来た。
会って話すか?
いや、そんなことしたら絶対手放したくなくなる。
どうせ離れることになるなら最低な男になった方がマシだ。
事の経緯を簡単にヨコに伝えて、Aとのメッセージ画面を開く。
別れよう、とだけ簡潔に送って、その後の返信にも電話にも出なかった。
Aの隣にはヨコがいるから大丈夫。
これが最善だった。こうするしかなかったんだよ。
なのに、
震えるこの手も、ありえないくらい溢れてくる涙も、
どうやっても止めることができなかった。
基「ごめんっ……」
今は、しゃがみ込んで涙を拭うことしか出来なかった。
後日Aに別れを告げたことを父親に伝えるとそうか、という短い返事が返ってきた。
基父「……………はやく一人前になれよ」
下を向いていた顔をあげると、少し辛そうな表情をした父親が視界に映る。
なんで、あんたがそんな顔してんだよ。
基父「身を粉にして働いて、社長になれ。そしたら自由だ」
基「俺が社長になったら、すぐAとの関係修復するから」
基父「………やめるもんならやってみろ」
それから、俺の社長修行が始まった。
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作者名:もものすけ | 作成日時:2023年10月29日 20時