忘れられない【S.M】 (ページ22)

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episode22 ページ22

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あれは俺が別れを告げる半年くらい前だったかな。

父親に呼び出されて言われたのが

基父「お前には近々この会社を継いだもらう。………余計のことにうつつを抜かすんじゃないぞ」

その言葉に思い当たるのが一つ。

Aの存在だった。

迷惑とかそういうのじゃなくて、多分、このまま交際を続けてたらAに良くないことがふりかかるんじゃないかなって。

基「………俺に選択肢はない？」

基父「ない」

基「そっか」

基父「お前はできるやつだからな、期待してるぞ」

俺の肩を叩いて部屋を出ていく。

1人取り残された俺は、いろんな感情がぐちゃぐちゃになって

基「ごめんね。急に家に押しかけて」

「全然大丈夫だよ。ちょうど暇だったから」

会えて嬉しい、と笑うAにさっきのぐちゃぐちゃの感情が消え去る。

思いっきり抱きしめて、大きく息を吐く。

「なにか嫌なことあった？」

基「ない。今全部吹っ飛んだ」

「ほんとに？」

基「ほんと。………ずっとこうして一緒にいたい」

「わたしと俊介くんはずっと一緒にいるよ」

基「もしそれが叶わなかったら？」

「んーーー………」

小さく唸って考え込む。

少しして返ってきた答えが

「一緒にいる未来しか見えないから分かんないや」

照れて笑う姿に胸がぎゅっとなる。

ほんと、ずっと付き合ってたいな。