王族の男は黒の暴牛のイカしたマスクの男に一目惚れ！？3

第八十八話 ページ12

魔法帝の試合開始の合図と共に相手のチームから嫌な空気を感じた。恐らく何か作戦でも練ってきたのだろう

アスタ「うおおおお！！テンション上がってきたぁー！！やってやるぜぇぇ！！」

ゾラ「何ハシャイでやがる、これは試験だぞ？真面目にやれバカヤロー。地形の把握とか戦力情報の共有とかやる事があるだろクソが」

わぁ毒舌！なんかものすごく機嫌が悪いぞぉ？なんでぇ？なんでぇ？

貴方『...やっちまうか"汝が闇を時の戒めより解き放つ"』

ゾラとアスタが言い合っているが、俺にはあまり関係ない。なら、少し先手を打たせてもらおうかな

俺の腕は徐々に人間のものではなくなっていく。あっという間にいつもの気味悪い腕に戻った

貴方『んっんん〜...どうしようかな？』

オレが大きくなった腕を組んで迷っていると、後ろから馬鹿みたいな声量でアスタが声を掛けてきた

アスタ「あぁっっっ！？Aさんまたその腕！！一体それ何なんですか！？」

貴方『うるさっ...お前と同じようなものさ。情報共有俺には無理だから、先に一暴れさせてもらうよ』

あのミモザとかいう奴みたいなゆるふわ系の女はまだ大嫌いではないけど、苦手なのは変わらないからね

貴方『えっと...昨日のより威力がないのは、"我が届けしは死者の声。貴様らの想い、今を生きる者に、今一度聞かせようでないか！"』

俺は敵にも聞こえるように大きな声で叫ぶ。この魔法の効果は簡単、昨日の劣化版さ

アスタ「Aさん！何を言って...うおぉっ！？」

アスタが俺には話しかけようとした途端に、地面から響く、低く苦しく焼けるような声で周りを振動させる声がステージ全体に響き渡る

アスタ「っ！！ミモザ！耳を塞げ！」

ミモザ「は、はいっ！」

貴方『お前はこっちね、俺の手なら塞ぐの簡単だからさ』

俺は一番近くにいたゾラを目の前まで引っ張って耳を塞ぐ。何が起きたか解っていない顔で俺を見てくるが、今話しても聞こえないんだよね

数分後、ようやく声が止まり地響きも止まった。そこで、少し遠距離にある森に動きが見えた

貴方『おっ、やっぱりあそこらへんにいたか...まぁ、終わりだけどな』

俺の言葉通り、数秒も立たずに木の上にいた男が落下した。これで遠距離攻撃は取り敢えずほとんどないだろう

貴方『あーらら、落ちちゃった。まぁこれで4:2か、有利有利』

アスタ「...すげぇ、Aさんすげぇっス！！もう一人倒したんですか！？」

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