嘘から生まれたボク Ⅰ (ページ10)

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玉森side

撮影が一段落着き、みんなで雑談をしていると

北｢あれ、ジャニーさん？｣

ジ｢ちょっと池端借りるよ｣

休憩時間になると

見学に来てたのかジャニーさんがいた。

ジャニーさんは俺らに軽く挨拶をすると

Aを連れてどこかに行ってしまう。

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池｢ごめん、遅くなった｣

玉｢ジャニーさん帰ったの？｣

池｢ん｣

玉｢そっか、何の話だった？｣

池｢…まあ、仕事の話｣

昔からAはジャニーさんに呼ばれる回数が

俺らより遥かに多い。

池｢ちょっと外の空気吸ってくんね｣

……まただ。

ジャニーさんと話した後のAは

いつも元気がなくて、1人になりたがる。

少し近付いたと思ったAとの距離は

やっぱり俺の気の所為だった？

玉｢待って、A｣

俺はもっとAのことが知りたい。

Aと昨日みたいに笑い合いたい。

池｢ん？｣

ぐいっと腕を掴む。

玉｢何か言われたんでしょ？｣

池｢何も言われてないよ｣

玉｢…嘘でしょ、それ｣

池｢………｣

玉｢相談も出来ないほど、俺頼りないかな？｣

ばっと、顔を上げて俺を見るA。

池｢頼りなくなんかない。

ただ、本当に仕事の話で断ってきただけだよ。｣

俺が問詰めれば問い詰めるほど

Aが心を閉ざしてしまうのが分かる。

玉｢…ごめん｣

池｢なんで玉が謝るの｣

玉｢Aが話せないのは、当然だよな｣

池｢え？｣

玉｢Aに頼ってもらえるように頑張るから｣

池｢だから本当に俺は｣

玉｢仕事、戻ろっか？｣

池｢…ん｣

気まずい空気が流れて

スタジオに戻る最中一言も会話なし。

はぁ、俺ホント何してんだろ。

頼りにされてないのなんか
昔から分かってたことだし

その努力をしてこなかったんだから当たり前なんだ。

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