嘘から生まれたボク Ⅰ (ページ9)

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玉森side

今日は8人揃っての取材と撮影の日だった。

俺はいつも通り宮田とペア。

Aは……ミツがペアなのか。

千｢玉、その服どこの？超かっこいいじゃん！｣

玉｢これ弟のブランドのやつ｣

千｢達也くんのデザインなんだ！｣

玉｢そうそう、新作なんだって｣

千賀が俺の私服に気付いて褒めてくれる。

千賀が褒めてたよって、後で達也にLINEしてやるか。

二｢玉んとこ、ホント仲良いよなぁ｣

玉｢ニカはお姉ちゃんだっけ？｣

ニ｢そう！あいつは鬼よ、鬼！｣

千｢Aは？兄弟いるっけ？｣

池｢うん、弟が1人｣

ニ｢なんだよ、Aも弟かよ！｣

北｢おい、俺なんか一人っ子だぞ｣

ニ｢まあ、ミツよりマシか…｣

北｢おい！｣

はははっと楽屋が笑いに包みこまれる。

玉｢弟は何個下なの？｣

池｢4つ下｣

玉｢てことは今中学3年生？｣

藤｢受験生だ｣

宮｢高校は大阪の学校に行くの？｣

池｢多分ね｣

多分…？

Aは弟の話になると

無表情を決め込んで笑顔が消えた。

あんまり触れてほしくないのかな。

二｢多分ってなんだよ、知らねーの？｣

二階堂は、醸し出される空気も読まず

ずかずかとAに弟の質問を続ける。

池｢もうずっと会ってないから｣

千｢え、連絡も？｣

池｢取ってない｣

二｢てか俺、Aの家族に会ったことないんだけど｣

千｢それ俺も思ってた｣

二｢LIVEとか来ないよね？｣

LIVEや舞台に、大体俺らは家族を招待する。

楽屋にも挨拶に来るし

だからメンバーの家族とは

全員かなり昔から面識があった。

ただ一人、Aの家族を除いて。

池｢うちは忙しいから｣

横｢親御さんは何してる人なの？｣

池｢…会社経営？よく知らない。｣

藤｢社長さんなんだ｣

千｢えー？社長なら尚更時間作れると思うけどな…｣

どんどんAの表情が曇る。

これ以上はダメだと

話を変えようとした瞬間

外からスタッフに呼ばれる声がした。

その瞬間Aは、周りに気づかれないようにほっと一息ついた。

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