嘘から生まれたボク Ⅰ (ページ8)

今日:60 hit、昨日:23 hit、合計:42,555 hit

07 ページ8

玉森side

池｢ここ｣

玉｢…マジ？｣

Aが自分の家だと言った先は

有名なタワーマンションだった。

外装や内装はもちろんのこと

セキュリティもしっかりしていて

かなり稼いでいる人しか

住み続けられないと有名な場所。

…てことはA、めっちゃ稼いでんだ。

池｢玉もこのマンション？｣

玉｢違うって分かってて聞いてるでしょ？笑｣

池｢バレた？｣

玉｢でもめっちゃ近いよ、俺この公園挟んだ向こうのマンション｣

Aのマンションから徒歩1分ほど。

マジで目と鼻の先。

池｢なんだ、ホントに近いのか｣

玉｢そうみたいだね、ご近所さんだ。

今度作りすぎたおかず届けに行くわ笑｣

池｢じゃあその時は丁重にお断りする｣

玉｢ひどっ笑｣

池｢はは、ジョーダンだよ｣

_____どきっ

玉｢…じゃ俺帰るね、ちゃんと寝るんだよ？｣

池｢ん、おやすみ｣

玉｢おやすみ｣

.

.

車を駐車場に止めて、家に帰る。

俺、なんでさっきドキってしたんだろう？

一日の疲れをシャワーで一気に流しながら

浮かび上がってくる変な感情の名前を必死に探した。

心臓が大きく跳ねて、痛くなった。

まさか俺、ときめいた？

Aの笑顔見て？？

……いや、男だぞ？

.

.

.

.

宮｢おっ、玉さん今日は一段と機嫌いいね～？笑｣

玉｢宮田ー、昨日Aと2人で焼肉行ったんだー｣

宮｢へぇ、2人で？珍しいじゃん｣

玉｢でしょ｣

上機嫌で、宮田の隣に座る俺。

宮｢あれ、そんなにAと仲良かったっけ？｣

玉｢別に悪くはないでしょ｣

宮｢いやそうなんだけど笑｣

玉｢あいつ、またご飯食べてなかったの｣

宮｢え！｣

玉｢だから焼肉連れてった｣

宮｢それは…連れてかないとだね｣

玉｢宮田もちょっと気にかけてやって。

A、ホントに1人じゃご飯食べないわ。｣

宮｢よく見とくようにするよ｣

昨日あれから考えた。

あれはときめきじゃなくて

ただ単に、Aとの会話が楽しくて

テンションが上がっちゃっただけ。

それ以上は、深くは考えなかった。

.