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玉森side
さぁーーっと言う音が、やけに大きく部屋に響く。
物がないから反響して余計に大きく感じるのかもしれない。
キッチンを見ても
フライパンや鍋は一切なく
もちろん調味料類もない。
掃除用具だってリビングに
ぽつんと置かれたルンバのみ。
この家にはテレビさえない。
池｢どうかした？｣
玉｢お、上がった？｣
池｢うん｣
声のする方を見ると
頭を豪快にガシガシ拭いてるAがいた。
玉｢ねぇ、この家ってテレビもないの？｣
池｢ないね｣
玉｢流石にそれは置いた方が良くない？｣
池｢うーん、ドラマや映画はサブスクで見れるし
自分たちが出た番組はデータ貰うじゃん？｣
マジか…
じゃあこの家で出来ることって寝ることぐらいか…？
池｢…ね、玉｣
玉｢ん？｣
池｢髪、乾かして？｣
玉｢え？｣
池｢乾かすのめんどくさくて｣
玉｢いいよ、ドライヤー持っておいで？｣
ドライヤーを持って
トコトコ俺のところに来たAは
ん、と俺に背を向けた。
その姿が何だか可愛くて
まだ水分を含んでる髪の毛を、優しく乾かし始める。
玉｢ほらね、こういう時ソファあった方がいいでしょ？｣
池｢確かに｣
玉｢じゃあソファは買おうね？笑｣
池｢一緒に買いに行ってよ｣
玉｢いいよ、行こ｣
なんだなんだ。
なんだかすっごく可愛いぞ。
ぎゅぅぅううってしたくなる衝動を、必死に堪える。
玉｢はい、乾いた｣
池｢ありがと｣
玉｢じゃあもう寝ましょっか｣
池｢ん｣
Aは寝室に向かうと
俺が寝室に行くのを振り返って待っている。
玉｢え、俺も一緒に寝るの？｣
池｢うん｣
玉｢俺、男なんですけど｣
池｢うん？｣
玉｢襲われちゃうよ？｣
池｢なんで？｣
玉｢だって、俺のこと誘惑してくるんだもん｣
池｢誘惑なんてしてない｣
玉｢じゃあこういうの誰にでもやるの？
今日ここにいるのが俺じゃなくてガヤでも、同じこと言った？｣
あぁ、俺かっこ悪すぎ。
こんなこと言うつもりじゃなかったのに。
俺、ヤキモチ妬いてるわ。
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kamekyomo(プロフ) - パスワードが知りたいです！ (2019年10月13日 11時) (
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作者名：りい太
| 作成日時：2019年2月10日 3時
