嘘から生まれたボク Ⅰ (ページ5)

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玉森side

池｢おはよ｣

宮｢おはよー……って、え！？｣

北｢え、お前何してんのっ？｣

昨日、入院を言い渡されたはずのAは

驚くほど普通に楽屋入りしてきた。

宮｢入院…するんじゃなかったの？｣

ぱっと、宮田が俺を見ると

ニカ達も俺を｢嘘ついたの？｣
と言わんばかりの顔で俺を見る。

いやいやいや、俺嘘ついてないし！

昨日確かに、入院するって……

玉｢病院は？｣

池｢退院してきた｣

ってことはつまり、抜け出してきた？

横｢ちゃんと病院に許可もらったの？｣

考えてることは横尾さんも一緒だった。

池｢もらったよ｣

一｢…無理やりですけどね｣

大きな溜息をつきながら

Aの後ろから一条さんが出てきた。

横｢うん、まあでも…顔色は良くなったみたいね｣

点滴を打ったからか

顔色は良くなったAだけど

表情はいつもより暗い気がする。

玉｢どした？｣

池｢…ん、怒られたから｣

玉｢え？｣

池｢怖いのよ、榎本さん怒ったら｣

玉｢榎本さん？｣

一｢Aの担当医です｣

玉｢ああ…｣

千｢それは、無理やり退院したから？｣

池｢ううん、ちゃんとご飯食べて寝なさいって｣

うわ、なんだろう。

しょぼーーんっていう顔文字が
めちゃくちゃ似合いそうな顔をして

分かりやすく落ち込んでる。

千｢…ちゃんとご飯食べてなかったの？笑｣

千賀が笑いを堪えながら質問する。

池｢…食べてなかったかも｣

北｢なに、無意識だったの？｣

池｢うーん、食べてるつもりだったんだけどな｣

Aが1人でご飯を食べてるところを

やっぱりみんな見たことがなかったらしい。

だから結構みんな本気で心配してた…のに。

当の本人は、無意識だったみたい。

そんなことある？笑

.

玉｢何かあったら頼ってね｣

池｢ありがとう｣

入院なんて大袈裟なことになって

病院の先生に怒られてここまでへこんでるんだから

多分もう大丈夫だろう。

.

数日後。

俺はそう思っちゃったことを後悔する。

.