嘘から生まれたボク Ⅰ (ページ34)

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玉森side

撮影は想像以上にスムーズで

予備で何パターンか撮っても

時間があまりすぎるくらいだった。

今はスタッフが撮れた動画を確認してる。

玉｢A、入る？｣

池｢…玉｣

玉｢俺、外で見張っとくから｣

池｢いいよ、俺は｣

玉｢最近、かなり疲れてるでしょ？顔に出てる｣

池｢別に平気だよ｣

玉｢大丈夫、俺すぐそこで見張ってるから｣

長崎に来てからAは

少し表情が柔らかくなった気がする。

例え仕事だったとしても

こんな自然豊かな場所に来たら癒されるよね。

なんて、Aは言わないけど

それくらい心も体も疲れてるんだと思う。

玉｢入らないと損だよ、こんな素敵な温泉｣

俺はそう言って温泉を出た。

外で待ってた一条さんには一言

｢今からここに誰も入れないで｣と伝えた。

一条さんはその一言で全てを理解し

｢わかりました｣と言ってくれた。

俺は誰も通らないように

通路の入口に座って見張ってた。

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玉｢あれ、もう上がったの？｣

池｢もしかしてずっとそこにいてくれたの？｣

玉｢今はAを守る騎士(ナイト)ですから笑｣

池｢ふふ、ごめんね気使わせて｣

玉｢そこはありがとうって言ってよ笑｣

池｢…ありがと、玉｣

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2泊3日の長丁場の撮影だけど

特段忙しいわけではなく基本は移動や待ち時間。

だから俺とAは本当の旅行かのような

ゆったりとした時間を過ごした。

そして、ちょっとした俺たちの旅行は終わった。

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