嘘から生まれたボク Ⅰ (ページ28)

今日:56 hit、昨日:23 hit、合計:42,551 hit

27 ページ28

玉森side

本番が始まるとAは完璧なアイドルになる。

あんな姿を見た後だと

完璧過ぎて余計に不安になる。

Aの笑顔が、今は全く信用出来ない。

でもAはそのまま笑顔でアンコールまで突っ走り

最終日ということもあって

俺らは軽くシャワーを浴びてから

会場を出て、飛行機に乗り込んだ。

……声をかける暇もなかった。

.

.

玉｢お疲れ、A｣

池｢お疲れ｣

窓側の席に座ってるAは外を眺めている。

飛行機は離陸してどんどん大阪の街は小さくなっていく。

池｢…長かった｣

玉｢疲れた？｣

池｢…うん、ちょっと疲れた｣

気が張っていたのか

大阪を離れた瞬間Aは

力が抜けたようにぐったりした。

池｢俺ね、大阪嫌いなんだ…｣

Aは力なく話し始める。

玉｢地元なのに？｣

池｢…そう、地元なのに｣

Aはそれだけ言うと

眠ってしまったようで俺の肩に

ゆっくりともたれ掛かってきた。

俺のせいで朝早かったもんね…

ごめんね。

.

.

.

.

千｢…………よね｣

二｢……に｣

ん…

なんか視線を感じる。

北｢起きろ、お前ら｣

玉｢ん…あれ、俺寝てた？｣

北｢もうぐっすり｣

千｢これ見て、すごい綺麗に撮れてるでしょ！｣

二｢雑誌載せれるよ、これ笑｣

目の前に出された千賀のスマホを見ると

Aが俺の肩にもたれて寝て

俺がAの頭を支えにして寝てる写真が

バッチリ綺麗に撮れていた。

藤｢玉、A起こしてあげて｣

玉｢あ、A…起きて？着いたよ？｣

こんなに目の前で話してるのに

全く起きる気配のないA

相当疲れてるっぽい…

.