嘘から生まれたボク Ⅰ (ページ16)

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Aside

_____Youのせいで周りの子たちに

迷惑がかかることがないようにしてくれ

会うと、必ず言われていたセリフ。

俺の祖父は、事務所の子たちにはとても優しい。

だけど俺に優しかったことは1度もない。

だから今回、玉にバレたと報告すれば

俺はきっとキスマイを辞めることになる。

玉｢ここまで俺らを引っ張ってきたのはAじゃん｣

池｢たま｣

玉｢俺らにここまで夢見させたんだから

ちゃんと最期まで引っ張って面倒見ろよ…っ！｣

＜おかけになった電話番号は

現在電源が入っていないか、電波の届かない……＞

池｢…出ないね、あの人｣

社長は寝てるのか、スマホの電源を切っていた。

池｢…玉、よく考えて。

俺の存在そのものがリスクなんだよ？｣

玉｢俺が守るよ！絶対に守るから…！｣

玉特有の、周りの人にも伝染する

あのゆるい笑顔は玉の顔から消えていた。

目には涙が浮かんで、赤くなっている。

池｢泣かないでよ｣

そっと玉の顔に手を伸ばす。

ぱちっと目を閉じると同時に

玉の目から綺麗な涙が一筋流れた。

玉｢辞めないで、A…｣

未来は見えてる。

いつかこの選択を選んだことを

後悔する日が絶対に来る。

だけど俺はそれでも…

池｢俺、キスマイにいてもいいの？｣

玉｢いいに決まってる！

Aが辞めるなら俺もキスマイ辞める…｣

池｢はは、すごいパンチの効いた脅し｣

涙を流しながら、俺を脅してくる玉。

そんな玉を、どうしてだろう。

抱きしめたくなった。

玉｢……A？｣

池｢もう少しだけ、キスマイでいるよ｣

玉は俺の背中に手を回してぎゅっと力を込めた。

俺もそれに答えるように、玉の頭を撫でた。

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