嘘から生まれたボク Ⅰ (ページ15)

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Aside

池｢ごめん、寝るつもりなかったんだけど｣

玉｢珍しいよね、Aが人前で寝るの｣

池｢なんか玉といると落ち着いちゃって｣

玉｢ほんと？嬉しいわ笑｣

ふふふ、って上品に笑う玉。

玉｢てかA、女の子だったんだね？｣

池｢…っ……！！｣

飲みかけた水で噎(む)せる俺。

落ち着いた心臓がまた激しく鳴り出す。

玉｢わ、大丈夫？｣

玉はくすくす笑いながら俺にティッシュを差し出す。

どうしよう、と考えながら

ぽたぽたと零してしまった水を拭く。

玉｢なんかちょっと…ショック、だったかも笑｣

池｢ごめん…｣

玉｢色々聞きたい事だらけなんだけど、いい？｣

池｢うん、何でも答えるよ｣

もうバレてるんだから

隠さずに正直に全部話そう。

バレた以上、キスマイでいられる時間ももう少ない。

玉｢そもそもどうやって事務所に入ったの？｣

池｢それは…｣

きっと、玉はびっくりするだろうなぁ…

池｢俺の祖父がね、ジャニーさんなんだよね｣

玉｢えっ…！｣

池｢ふふ、びっくりするよね｣

玉｢…うん、それはびっくりするわ笑｣

ずっと笑顔だった玉は

ようやく目を見開き驚いた。

池｢…みんなに隠し続けるの辛かったから

これでようやく楽になれたよ、ありがとね｣

カバンからスマホを取り出して、電話帳を開く。

玉｢何すんの？｣

池｢社長に報告しなくちゃ｣

Prururu....Prururururu...

玉｢え、待って！｣

池｢ん？｣

玉｢キスマイ抜けるとかない…よね？｣

池｢…抜けるよ？｣

当然じゃん、と玉に言う。

デビューする前から決めてたことだ。

俺のせいでメンバーに

迷惑をかけるようなことがあれば

その時俺は、脱退なんて生温いことはせず

メンバーの前からも芸能界からも去るって。

玉｢…待って、ちょっと待って！｣

池｢バレた以上は辞めないとね｣

玉｢俺にバレたからって、逃げんなよっ｣

池｢別に俺は逃げるわけじゃ…｣

玉｢同じことだろ！｣

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