嘘から生まれたボク Ⅰ (ページ2)

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玉森side

〈キスマイのメンバーは個性が強い〉

昔から言われてたことだけど
それが本当だということに気付いたのは

ごく、最近のことだった。

その中でも1番個性が強いのは

記｢では、その美白を保つスキンケア方法教えて下さい｣

池｢ごめんなさい俺本当に何もしてないんですよ…｣

記｢え、日焼け止めとかもですか？｣

池｢メイクさんに塗られてるのかもしれないけど

プライベートで俺が自分で塗ることは無いですね｣

記｢そう、ですか…うーん……｣

今日も相変わらず記者を困らせてるA。

俺は彼がキスマイで1番すごいと思う。

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Aは記者を泣かせるほど

インタビューでもほとんど答えない。

10年以上一緒にいてる俺らでさえ

Aのことをそこまで知らない。

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俺が今知ってるAと言えば

イケメンで、歌が上手くてダンスも上手い。

その上演技も上手で、更に頭までいい。

まさに才色兼備だ。

池｢終わった、次玉だよ｣

玉｢ほーい｣

Aはとても優しくて、性格も申し分ない。

いや、Aは興味無い人相手だと無関心で冷たい時もある。

でも俺らに対しては優しすぎて戸惑うくらい。

多分、Aの中で大事な人とそうでない人
線引きがハッキリしてるんだろうな、と思う。

だからもちろん、ファンのことを1番に大事にしている。

こんなに完璧なアイドルがいるだろうか。

彼はアイドルになるために、生まれてきたような男だと思う。

それなのに当の本人は

別に俺らがやる必要もないのに

俺らの出る番組の企画を立てたりしている。

今でこそ俺らもそれに慣れてきたけど

デビュー当時の俺らは

Aのしてることに違和感が拭えなくて

何度もAと衝突したもんだ。

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記｢これで以上になります｣

玉｢ありがとうございました～｣

Aならもっと上に行けるはず。

Aが本気でアイドルやって

俺らのセンターに立ってくれたら…

トップアイドルになるなんていう野望でさえ

Aなら簡単に叶えてしまえるかもしれない。

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それなのに彼は、アイドルでありながら裏方に徹してしまった。

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