街へ繰り出し、【第四話】 ページ5
まどかを見つける、と意気込んだはいいものの…。全くと言っていいほど、手掛かりがない。初めての世界、初めての経験。正直、まだ状況が整理出来ていない。
胡蝶しのぶの目を盗み街へ繰り出すと、数人に呼び止められ、礼を述べられる。私は何か感謝されることをしたのだろうか、と首を傾げていたのだが、大抵の人が礼を述べるとさっさとどこかへ行ってしまうので聞きようも無かった。
「はぁ…。」
無意識にため息をこぼす。
何故か感謝され、しかも遠巻きにチラチラと見られている気がする。見られるのはいいとしても、コソコソとこちらを見ながら話されていると少し鬱陶しい。まどかを探しに来ただけなのに何故こう感謝され見られコソコソと話されるのだろうか。もう今日は諦めてさっさと屋敷へ戻ろうか。
そう考え、屋敷へ歩きだすと、ちらりと目立つピンクと水色の頭がこちらを捉えていた。
「…まどか、」
今回はまったく共通点が無いため、話しかけにくいが、こちらを見ているタレ気味の目は確かにまどかだ。あとついでにさやか。
…恐らく、今回の時間軸での負けはまどかが鬼殺隊に入ってしまうことだろう。最終選別に行かせてしまった時点で負けだ。どう忠告しようかと考えてみたが、全く思いつかなかったので忠告はしないことにした。
…鬼に襲われたりした人がいない限りはまどかは鬼殺隊には入らないだろう。まどかは優しい子だし、自分を傷付けるのも厭わないが契約する前は基本的にオドオドとしている普通の女の子なのだから。
…というか、あれ?これ勝ったんじゃない?
この世界にはインキュベーターは居ない様子だし、いきなり鬼殺隊に入ることは出来ない。最低でも1、2年は必要だろう(育手の元で呼吸習得、最終選別などで)
内心ニヤニヤとインキュベーターを踏みにじってざまぁみろ、と罵りつつ、蝶屋敷へと向かう。足取りはいつもの私からは考えられなかったほどに軽かっただろう。マミ、今なら貴方の浮かれてしまう気持ちもわかるわ。流石に浮かれてるからって頭をパックンチョとはいかれないけれど。
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「何だったんだ、あいつ…?」
「あはは…」
さやかちゃんが言ってるのは、さっきこっちをじっと見ていた綺麗な女の子のことだと思う。それより、私には気がかりなことがあって。
長い髪を靡かせて、傷だらけになりながら戦う黒髪のあの子の姿を夢の中で見ていたた気がした。ぼんやりと、呟く。
「夢の中で逢った、ような…」
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ねこふらい(プロフ) - スフィアさん» わー!趣味が合いますね…!!ありがとうございますー!!頑張っていきます!! (2020年3月19日 15時) (レス) id: 0c32e81106 (このIDを非表示/違反報告)
スフィア(プロフ) - 2つとも私の好きな作品なので、すごい嬉しいです!更新頑張ってください!! (2020年3月19日 11時) (レス) id: 689f4055d4 (このIDを非表示/違反報告)
ねこふらい(プロフ) - らみりさん» ありがとうございます!!ご期待に添えるよう頑張って書きますね…!!! (2020年3月14日 12時) (レス) id: 0c32e81106 (このIDを非表示/違反報告)
らみり(プロフ) - イッキ見しました!!これからどうゆう展開になるか楽しみにしてます!! (2020年3月14日 9時) (レス) id: 0c67741c38 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ねこふらい | 作成日時:2019年12月18日 21時