唐突な話。【第三話】 ページ4
「まぁ、お館様の元へ向かいましょう!
何の意味もなくお館様が呼ぶとは思えません」
先程の表情から一転し、いつになくにこやかな笑顔の胡蝶しのぶに手を引かれ、護身用、と渡された刀を手に取り部屋を出た。
────産屋敷
「お待たせして申し訳ありません、お館様。
暁美ほむらさんを連れて参りました。」
「やぁ、しのぶ。ありがとう。」
館の襖が開き、その中から小さな白髪の子供に連れられて月明かりに照らされた…お館様、は聞いているだけで安心感と高揚が身に染みるかのような声をしていた。
「君が、暁美ほむらだね?」
「…はい。」
「突然で申し訳ないんだけど、一つ、聞いてもいいかな?」
こくり、と頷きながら声を発する。胡蝶しのぶの説明によると、お館様は目が見えていないらしい。頷いただけではわからないだろう。
「…君は、異国人なのかい?」
「…?」
「あぁ、すまないね。唐突に聞いても分からないだろう。端折りつつではあるけれど、説明させてもらうよ。」
お館様の話を端的にまとめると、私がいきなり現れたのを見た人間がいて、しかも身なりも見慣れないもの(恐らく魔法少女の姿)であったから異国人、もしくは鬼の類では、と疑った鬼殺隊員が居たらしい。実際、異国人、ではあるのだろうけれど…。魔法少女の事を言っても信じてもらえない可能性があるし、ここは言葉を濁すのが最適だろう、と口を開きかけた所で胡蝶しのぶが口を挟む。
「お館様、暁美さんは記憶がないらしいので…。」
「そうなのかい?…ほむら、思い出したら、私に伝えに来てくれないかな。君のことを不審に思っている子達もいるからね。」
「…はい。」
「それじゃあ、しのぶ。あとは頼んだよ。」
「はい、お任せ下さい。」
お館様が白髪の子供たちに手を引かれ、館の奥へと姿を消すと、胡蝶しのぶはこちらに振り返ってにこりと笑った。
「さて、ほむらさん。まずはお疲れ様です。」
「…どうも。」
「今からでも話をしたいのですが、今日はもう遅いので明日詳しいお話をしましょう!」
そうと決まれば屋敷に戻る!と意気込んだ胡蝶しのぶに手を引かれ、蝶屋敷へお邪魔する。何故か視線を感じたが…それは気にせず、通された部屋のベットに寝転がって目を閉じる。
中々に面倒な事態になってしまったけれど、まどかを救う…まどか?そう言えば、まだまどかを見掛けていない…!私としたことが、何たる失態だろうか。明日…いや、明後日。
まどかを、見つけなければ。
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ねこふらい(プロフ) - スフィアさん» わー!趣味が合いますね…!!ありがとうございますー!!頑張っていきます!! (2020年3月19日 15時) (レス) id: 0c32e81106 (このIDを非表示/違反報告)
スフィア(プロフ) - 2つとも私の好きな作品なので、すごい嬉しいです!更新頑張ってください!! (2020年3月19日 11時) (レス) id: 689f4055d4 (このIDを非表示/違反報告)
ねこふらい(プロフ) - らみりさん» ありがとうございます!!ご期待に添えるよう頑張って書きますね…!!! (2020年3月14日 12時) (レス) id: 0c32e81106 (このIDを非表示/違反報告)
らみり(プロフ) - イッキ見しました!!これからどうゆう展開になるか楽しみにしてます!! (2020年3月14日 9時) (レス) id: 0c67741c38 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ねこふらい | 作成日時:2019年12月18日 21時