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55話〜私side〜 ページ16

それからの毎日は味のしない料理みたい



感情を失くしたみたいに何も感じない



楽しくもないし、悲しくもない



いつもの景色も色のないモノクロ写真



通り過ぎる人たちの楽しそうな表情も、作り物の笑顔に見える






涙と一緒に感情も捨てちゃったのかなぁ・・・






気が付けばボーっと空を見てる



仕事中にも隣の同僚に大丈夫?と声をかけられる






「大丈夫、ありがとう・・・」






何も感じないのに、笑顔でそう答える



笑顔って心が笑ってなくてもできるものなんだね



それでも太輔の思い出がない職場は、少しホッとできる場所になった



仕事の行き返りに通ってたあの公園も避けるようにした







こうやって少しずつ太輔の気配を忘れていくんだ



いつか太輔のことも思い出になる日が来る



その時には心から笑えるようになるのかな・・・
















それでも職場で寝泊りすることなんてできないし



結局、この部屋に戻ってくる



クルミも待ってるし






そういえばクルミって、ひろの膝に乗ってることなかったよね・・・



相棒を取られたって思ってたのかも






部屋に帰るとクルミがいつものように待っててくれる



それだけが癒してくれた





「ただいま・・・」





クルミのケージに寄ってみる



なんだか元気ない?



いつも私が帰ってきたら目をキラキラさせてバタバタしてるのに



今日はおとなしいよね・・・



そういえばご飯もずっとお残ししてる



太輔に会えない日もお残ししてた







「クルミ・・・


ご飯食べよ・・・


待ってても太輔は来ないよ・・・」






クルミにご飯をあげる



寄ってきて少し食べたけどやっぱりお残し






「ねぇクルミ・・・


ちゃんと食べないと病気になっちゃうよ・・・」





いつでも食べられるようにそのまま置いておく



立ちあがった瞬間、目の前の世界がグニャっとゆがんだ



あわてて棚に捕まって呼吸を整える





「ふぅ・・・」





少し落ち着いた



クルミだけじゃなくて私もご飯食べられてないや・・・



ひとりの食事がこんなにもさみしいなんて・・・



食べてくれる人のいない食事を作ることがこんなにも切ないなんて・・・



美味しいはずの食事だって味なんてしないよ



重症すぎてびっくりしちゃう・・・

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設定タグ:Kis-My-Ft2 , 藤ヶ谷太輔 , 北山宏光   
作品ジャンル:タレント
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たまぴろ(プロフ) - Sayakaさん» こんばんは。いい方に向かってくれるといいですよね。どうしてこんなことになったのか…好きだから何ですけど、驚く程に不器用な藤ヶ谷さんも愛らしいなぁと思ってしまうたまぴろです… (2017年9月15日 2時) (レス) id: 3df5ff19bf (このIDを非表示/違反報告)
Sayaka(プロフ) - こんばんは。太ぴーは自分の気持ちに蓋をして北山くんに頼むってのが1番いいんだと思ったかもしれないけど、主人公ちゃんに自分の正直な気持ち伝えてほしいです。それでいい方向に向かってくれるといいなって思ってます。 (2017年9月15日 0時) (レス) id: e840d10cb4 (このIDを非表示/違反報告)
たまぴろ(プロフ) - Sayakaさん» コメントありがとうございます。好きだからお互いのこと思いやりもするし、必要以上に不安になってしまうものですよね。同じ気持ちなのだからいい方向に向かってくれること信じていてくださいね。 (2017年9月11日 1時) (レス) id: 2e39a5dc13 (このIDを非表示/違反報告)
Sayaka(プロフ) - 初めまして。主人公ちゃんと太ぴーは同じ気持ちなのに離れちゃうのは悲しいですが、これからどうなっていくのか楽しみにしてるので更新頑張ってください! (2017年9月11日 1時) (レス) id: e840d10cb4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:たまぴろ | 作成日時:2017年9月10日 1時

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