例えば、君が恋と呼ぶのなら【ファンタスティックビースト】 (ページ7)

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パフスケイン係さんページ7

***

「ね、ニュート」
「どうしたの？」
「この子のお世話、私がやっても良い？」
「君が？」
　
　
　彼女のおずおずとした申し出に、僕は驚いて聞き返す。アイリスはこくりと頷くと、パフスケインが入っている籠にそっと指を入れた。僕が籠をあけてパフスケインをアイリスに渡してやると、彼女(多分)は嬉しそうにアイリスに擦り寄った。アイリスはパフスケインを見て微笑み、それから僕に向かって真剣な顔をした。
　

「責任を持ってきちんと面倒を見るから。……ダメかしら？」
「……分かった。君に任せるよ」
　

　アイリスは途中で投げ出したりするような人じゃないし、何よりパフスケインも一瞬で懐いたみたいだ。僕が頷くと、アイリスは本当に嬉しそうに笑った。
　
　
「ありがとう……！これからはパフスケイン係として、責任をもって任務を全うするわ」
「パフスケイン係」
「なによその顔！」
　
　
　パフスケイン係とか、任務とか、中々面白い事を言い出したアイリスに吹き出しそうになる。自分でわかるくらいにやにやしながら繰り返すと、アイリスは眉根を寄せて僕に怒ってきた。
　
　ごめんごめん、と笑いながら、僕はある提案をする。
　
　
「せっかくだし、名前付けてやったらどうかな」
「いいの？」
　
　
　僕の提案に、アイリスは目を輝かせた。
　
　
「男の子？女の子？」
「女の子。多分ね」
　
　
　アイリスはしばらくパフスケインと見つめ合いながらうーんと唸る。そのあいだパフスケインはアイリスの手の中でずっとくるくると回っていた。目を回さなきゃ良いけど。
　
　
「……決めたわ！パフィにする！」
「……。いい名前だね」
「ほんとに思ってる？」
「お、思ってるよ」
　
　
　……長い間考えていた割には、なんて全然思ってないよ。
　
　

「そうだ、ニュート。この子達の事、色々教えてくれないかしら？」
「え？」
　
　
　突然アイリスが、パフィの頬を優しくつつきながら言った。
　
　
「お世話をするからには、ちゃんと相手の事を分かっていなくちゃ。そうでしょ？」
「そ、そうだね。ええと、まずは……そうだ、パフスケインはゴミ掃除屋なんだ」
「ゴミ掃除屋？」
　
「うん。雑食で、人間達の食べ物の残り物とか、クモを食べるんだ。だから、ホコリっぽい所に巣を作る」
「ああ、だから物置にいたのね！」
　
　