雨涙23 ページ24
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貴女side
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まるであの日の雨のような青色をした“ それ ” を手に取る
所々涙の跡の残る“ それ ” は
見ているこっちが辛くなるほどで
決して綺麗とは言えない
文字だけども何処かまっすぐで
まるで君のようなそんな字で書かれた
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“ 大丈夫生まれ変わっても
また君を探すから ”
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何度も書き直したのか
消したあとの残る“ それ ” は
たった一言なのに
どうしようもなく愛おしいく感じる
きっとそれは君に貰ったものだからで
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君と出会った高校生の頃
今でもたまに振り返る
あの日合コンに行かなければ
君に出逢う事はなかったね
進展のない曖昧な関係に
どれほど悩んだだろう
そして君の病気を知って
1人泣いたよるもあった
2人でないた夜もあった 。
私にとってはどの涙も
どの笑顔も大事な青春の1ページで
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『 あぁ ! またそれ見てる !』
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「 やってこれなんか愛されてる感あるやん? 」
『 そんなん見らんでも 』
『 いくらでも愛してあげんで ? 』
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私と紫耀は社会人になった 。
手術は成功したのに
ずっと目を覚まさない紫耀の頬を何度ぬらしただろう
お医者さんにも
何度も覚悟を決めて下さいと言われたし 、
それでも信じて待てたのは
紫耀からの “それ” … “手紙” があったから
何度も読み直し
今ではどちらの涙の跡かわからないほどで
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『 あ! 今な來(ライ) があんよしてん! 』
「 ほんま !? 」
『 おん! 流石俺とAの子やわ 』
「 あかん。絶対親馬鹿になるわ 」
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紫耀との間に生まれた新たな命
紫耀が仕事帰り買ってきた
“赤ちゃんの名付け本”で調べて付けたんだよね(笑)
あの時は2人ともすっごい真剣で
何回も喧嘩したりしてさ
それも今となっては素敵な思い出で 。
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《 うぅ … ま … ッ … んま 》
《 まま … ! ぱぱあ … ! 》
「 いま … 」
「 ままって … ぱぱって … !」
『 ううぅ … !どおしよ可愛い過ぎる (泣)』
これからも色々な成長も
紫耀とみて楽しみたいんだ
「 んふふ。よろしくねぱぱさん … ? 」
『 こちらこそ 、ままさん? 』
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雨は貴方の涙
[ 完結 ]
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作者名:二宮あいちゃ | 作成日時:2015年5月28日 20時