天使との通学電車。４ 〜Yuri.C〜

２７駅目 Aoi side ページ27

知念が倒れた。




その情報を知った時、真っ先に連絡した相手は






大貴「はーい、もしもしー？」




有岡大貴。






葵「知念が倒れたってどういうこと？」



大貴「葵ちゃんが俺に連絡してくるなんて、初めてだね！」



葵「ふざけるな。で、どういうこと？」



大貴「急激なストレスと疲労に、知念の脳は耐えられなかったらしい。

体には何も異常はないのに、目が覚めないんだ。もしかしたら、知念自身が目を覚ます事を拒絶してるのかもしれないって医者には言われた。」







急激なストレスと脳への疲労。



考えられる事は一つ。間違いなくAの事だ。







大貴「知念は、Aちゃんに初めて恋をして、ずっとずっと大切に思ってたんだ。その分、失ったショックと、何かのきっかけが重なって、知念は壊れちゃった。」





有岡は、少し泣いているようだった。



大貴「山田とも連絡がつかなくて、知念は目覚めないし、俺は何やってんだろうな。


少しだけど、俺が一番歳上なのにさ。」







有岡は有岡で、相当思い詰めてるっぽい。



今回の件で、知念、山田、有岡の３人の仲まで崩れかけてる。






Aにはやっぱり、きちんと知念と話さなければならないと思った。




葵「Aだって、知念の事凄く好きだよ。過去形じゃなくて、今もね。でも、Aは今、不安で押し潰されそうなんだ。だから、山田の優しさに少しだけ甘えてしまったみたい。知念も山田も、Aが振り回しちゃって、ごめんね。私が謝るのは変かもだけど、大切な友達だから。」





有岡には、Aの気持ちをわかって欲しくて、そう伝えた。

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