５３ Ren side ページ3
…
廉｢なんやねん｣
何気なく通知を開くと、目に入ってきたのは、
゛紫耀 ゛
そのまま持っていたスマホをぶん投げた。
ガチャンッ！！
その音に驚いたのか、あいつが目を覚ます。
｢え、なに？｣
廉｢うっさい、話しかけんなや｣
なんで今更連絡なんてしてくるん。
俺が出て行った後、一切なんも言ってこなかったくせに。
｢廉…？｣
廉｢っ！…ごめん｣
こいつは関係ないのに、また傷つけてもうた。
向こうに転がっとるスマホを見つめながら、上の空になる。
ほんま情けないわ。
あいつの連絡1本で、こんな取り乱すなんてアホもいいとこ。
もう関係ないって、切り捨てたんは自分や。
こんな俺にこいつを好きになる資格なんてないわ。
無意識に膝の上にあったブランケットを握り締めると、その手に冷たい手が重なった。
廉｢え？｣
｢廉が何を抱えてるのか私にはわかんないけど、別に謝んなくていいから｣
なんで。
こんな風に理不尽にキレといて、謝んななんて。
｢その代わり、廉がしんどいって思うならその時は傍にいる。それに関しての文句は一切受け付けないから｣
こいつ、やっぱりアホちゃう…？
こんなどうしようもないやつの傍におっても、なんもいい事ないのに。
廉｢なんでそこまでしてくれるん？｣
｢なんだろうね、私もわかんない！(笑)｣
なんて言いながら笑って、
｢普段の私なら絶対放置だけど、廉はなんだかほっとけないんだよね｣
廉｢…なんやそれ｣
｢うん、私も意味わからん！｣
廉｢その関西弁やめろや｣
｢廉の真似！｣
もう一度ぎゅっと握り返してくれた手を、離したくない。
そう思ってしもた。
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作者名：re
| 作成日時：2019年5月22日 12時
