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◆銀時side
いつも通り結野アナの占いを見てホクホクしていると、別のアナウンサーが慌てた様子で「速報です!」と言った。
「真選組副長補佐の新見志樹さんが女性であったという情報が入りました。現在、真選組屯所に中継が入っています」
そして中継画面に移り変わり、画面に新見が映し出された。
「…は?」
女、って…言った、か?
え、いやまさかそんなはずは。
だけど、画面右上に映し出されるテロップには、「真選組副長補佐、女だった」とあって。
でも確かに女と言われれば、辻褄が会う部分も多数ある。
男らしくねぇ華奢な身体。
俺と同い年の男にしては高い声。
そして…何故か、俺らを絶対に風呂に入れないその必死さは…もし入ったら殺されるじゃすまない感じだった。
『あの。話していいですか。質問はちゃんと答えるので』
しつこく質問をするマスコミに声を張り上げる新見。
辺りが静まると、新見は喋り始めるのか息を吸った。
『…えっと…俺は実は女、だって事、皆驚いてると思います、すんません。今まで黙ってて』
改めて新見の声を聞くと…確かに、女の声だった。
今までは、声変わりのしていない少年のような声だなーぐらいに思っていた。
見方が…180°変わった。
『まず、なんでこの事を公表したか、という動機を言います。
敢えて名前は伏せますけど…俺は先日、ストーカー被害に遭い、その上屯所を襲われ、多数の隊士が重傷を負いました。
死人が出なかったのが、不幸中の幸い…。
彼等が傷ついたのは、俺が…性別を偽ってしまったからだと思った。性別を偽り、叶いもしない恋心を抱かせてしまった。
だから今後、彼らの二の舞にならないようにこうして公表さしてもらいました』
丁寧とは言い難い、少し緩い敬語。
だが、その緊迫したような顔で言うと、尚更不安に思うのだった。
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作者名:グミ | 作成日時:2019年11月16日 18時