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◆銀時side
新見が万事屋に。しかも1週間も。
そう本人の口から聞いた時は、即追い返そうと思っていた。
だが、金の話となると話は別だ。
逆に税金で食って生きているこいつら。いつもならムカついている頃だが、これはまぁいい財布である。
1週間ずっと俺らは金を使わずこいつに使わせることが出来るのだ、この手を利用しねェ訳には行かねーだろ。
「えーと…じゃあ手始めにファミレスでパフェを……ぐはっ、てめっ何すんだ神楽!」
「何が手始めアルカ。こんないい財布…いや、とってもとっても優しい志樹が折角来てくれたネ、もっと豪華なもの頼むべきアル」
『あのチャイナ娘。いい財布って言葉聞こえてんだけど。思っきし聞こえてんだけど』
「きっとそれは空耳アル。とにかく、私はこの回らない寿司を食いたいネ」
「パフェだっていいだろーがァァァ!!!パフェだって充分豪華だろ!?」
『あーもう、どうでもいいからそんなこと。どっちも奢るから喧嘩すんな、万事屋大人気ねーぞ』
どうでもいいからそんなこと。なんて言われて「どうでも良くねーけど!?」と言い返したかったが、奢ってくれるようなので仕方なくその言葉を飲み込んだ。
だが、最後の言葉は聞き捨てならない。
神楽も真似して、「大人気ねーぞ」ニヤリと笑った。
2対1はないって。ふざけんなよ。
一方新八は俺らの喧嘩を無視して出前のチラシを凝視している。
「オイぱっつぁん、何やってんだ」
「銀さん…この店、1000円分のご注文をされた方に限り、限定お通ちゃん缶バッジプレゼントですって…!行きましょうよ、ステーきんぐだむ!!」
なんだよ3対1なんて負け決定じゃねーか!!銀さんに味方はいないってか!
…あ、パフェも奢ってくれるんだったわ。
「何その店名。だっせ…、寿司行って、パフェ食って、そんでまたステーキだァ?」
『ん、いーよ。何でも好きにしたらいいよ。ガンガンいこうぜ』
「うん、ホント新見くん良い奴だな、見直したぜ。でもさ、ドラクエの作戦コマンドみたいに言わないでくれる?」
『何変なとこ怒ってんの?別に良くね?』
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作者名:グミ | 作成日時:2019年11月16日 18時