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五条の術式により、私たちは瞬時に家へ戻ってきた。2人は無言で、沈黙が続いてばかりで、なんだか気まずい。
地下室に戻ってきて、今度はしっかりと鍵を閉めた。テーブルを挟んで2つの椅子が並べられていて、私は片方に座らされ、五条はもう片方に座った。
「…お腹すいたでしょ?あそこ、凄いいい匂いしたから買ってきちゃった、カレーパン!」
『か、カレーパン…?』
ああそうか、あのカレーのいい匂いはカレーパンだったのか。
って、そういうことじゃない。
なんでいつものように上機嫌でカレーパンを2つ両手に持ってるんだ。緊張感が削がれる。
「え、だってAも好きだよね?一緒に食べよ」
『あ、ああ』
なんだか拍子抜けしてしまった。帰ってきて即刻殴られるとか思ってたから…こんな機嫌良さそうで、なんで。私は此奴から逃げようとしたのに。
「ん?どした、食べないの?」
『だ、だって五条、…怒ってないのか?』
「…なんで?」
え、と五条を見ると、やつは相も変わらずニコニコと微笑んだまま。
「どうして、僕が怒ってると思ったの?」
『だ、だって…』
口ごもる。ずっと私の答えを待っている五条はまだ笑っている。だが、表情が全く読めなくてまた怖くなった。
『私が、…ここから逃げ出したから』
「…ご名答!」
『え?』
ぽつりと言葉を絞り出すと、ピンポン、と音が鳴りそうな程に軽快にそう五条は言った。
「よく分かってるじゃん。
…そう、僕は凄く怒ってる。理由は今君が言ってくれた通り…
と、あとひとつ」
途端に声色が変わる。低く、唸るような声が、耳に伝わる。
いつの間にか五条の顔からは、笑みが消えていた。
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グミ(プロフ) - みーこ【サブ】さん» 出来ますよ!いえいえこちらこそ何度もリクエストありがとうございますー! (2021年1月8日 15時) (レス) id: 763fbac217 (このIDを非表示/違反報告)
みーこ【サブ】 - リクエストで、熱が出ちゃったら、ってお願いできますか??何度もすいません! (2021年1月7日 19時) (レス) id: fd540dc306 (このIDを非表示/違反報告)
みーこ【サブ】 - グミさん» リクエスト、応えてくださってありがとうございます!五条先生のヤンデレ感が加速していて、すごくおもしろかったです(笑)更新頑張ってください! (2021年1月4日 8時) (レス) id: fd540dc306 (このIDを非表示/違反報告)
みどりちゃ。(プロフ) - 五条先生がヤンデレってトコが性癖にグサッと刺さって、いつも楽しみです!更新頑張って下さい! (2021年1月3日 23時) (レス) id: 2c92b3b212 (このIDを非表示/違反報告)
グミ(プロフ) - みーこ【サブ】さん» リクエストありがとうございますー!全然できますよ!是非作らせていただきますー! (2021年1月1日 12時) (レス) id: 763fbac217 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:グミ | 作成日時:2020年12月3日 7時