FIRST LOVE.3

142 ・玉森SIDE ページ44

・









「お兄さ〜ぁん
生くださ〜い。」









さっきから横で突っ伏して
でろでろに酔っぱらった女の人に目がいく。





どうやら松田もみたいで
こそっと俺に耳打ちした。









松「一人なのかね。」




「さぁ、」





松「いや、でも俺清楚系な人が
こういう居酒屋に来るとか好感持てる。」






「あ、それ分かるかも。
ギャップってやつだよね。」







松「・・・・・・・・・・？」








「何？」









不思議そうに目を細めてみるから
俺も松田と同じ場所を見た。









松「きだっちじゃね？」







「え？」









・









そこにいたのは、

気持ちよさそうに自分の腕を枕にしながら
こっちを見て寝ているきだっちだった。









・









「え、」









声かけろよ、そう言うように
俺に顎で指示してくる。









・









「おーい、きだっち。」









声をかけても
ピクリとも動かない。









「おーい。」



あ「ん〜……、

うるさい・・・。」




「何してるの、こんなとこで。」





あ「………裕太？



・・・あ〜！裕太だぁ〜！(笑)」









・









あ、





久しぶりだ。









このドキドキする感じ。









・









こんな理性が飛ぶほど、
抱きしめたくなる衝動にかられるのはいつぶりかな。









あ「こんなところで会うなんて(笑)

奇跡だ奇跡ーーー！」









やっと会えた。






色々話したいな。







タマの食べる量が増えたこと。

部屋掃除して綺麗になったこと。

味噌汁作れるようになったこと。

あそこのパンケーキ屋さんの新作が美味しいこと。









・









そう思ったのに、


俺何がしたかったのか。









・









携帯を取り出し、

ガヤに電話してた。









・









「迎えに来てあげて、」









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