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可愛いと、雅紀に言われるのがどれだけ嬉しかったことか、
雅紀には女の姿のボクを愛してくれるだけで、それだけでよかったのに。
なんてボクは我儘になってしまったんだろう...
本当のボク、全てを愛して欲しいと思うなんて
もう、友達にだって戻れない
ボクは今雅紀に怒っているのか、悲しんでいるのか、
それとも捨てたはずの恋心をまた募らせているのか・・・・・・・
分からない
翔さんとの待ち合わせの駅まで走っている時、
頬が濡れているのを感じた
雨ではない。だって、空は晴れているから。
それだったらこれはボクの涙なんだな
幸いまだ翔さんは駅に着いていないようなので、
誰のために流したか分からない涙を拭き、メイクを直して翔さんを待った
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「ごめん！待たせた？」
「いえ、ボクも今来たところですよ。」
30分は待ってたけど、それは別に言わなくていいことだろう
「そっか。それよりさ・・・・・その格好寒くない？」
「え？」
確かに、言われてみれば肌寒いような・・・・・
晴れって言ってたのに、気づいたら空は沢山の雲に覆われていた
そう言えば上着、
雅紀と会った店で預けたまんまだった・・・・・
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作者名：ぼっちゃん | 作成日時：2020年10月29日 18時
