60c Blumenstrauß～空の花束～【リヴァイ夢】 (ページ6)

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　彼と付き合いだしてから、半年がたっていた。

　その間も、リヴァイ君はドールになることもなく、ここから消える事もなくずっと私のそばにいてくれている。

　だけど、学校関係者と生徒との恋愛は色々と問題があり、誤解を招きかねないと、

　リヴァイ君が職場と住む場所を変えたのは最近のこと。

　その過程で、彼と同じ世界から来た蝦夷森(ハンジ)さんと同様に、その辺の事情を知っている大学の理事長の養子にはいった。

　さらに、その理事長の弟さんが経営する警備会社で働かないかと、理事長側から提案があり、内容を聞いて納得したリヴァイ君はその職に就いたのだ。

「舎監の仕事も悪くはなかったが……」

　そう言いながらも、今の彼は、舎監だった時よりも張り合いのある日々を送っているように見える。

　基本は裏方で、警備員の訓練の指導に当たっているリヴァイ君だけど、会社の身内側の人間という事も手伝って、現場の監察として業務がきちんと遂行されているかの見回りも任されているらい。

　そんな時は今日のように早めに家に帰ってきたりする。

　彼が言ったように、確かに数日前に「早く帰る」と言われていた事をすっかりと忘れていた。
　

　でも、そう告げられた時は夜で、

　たくさん降り注ぐキスの合間に聞いた話で……。

　あんな翻弄されたような、

　……頭がボンヤリとした状態で、そんなことを聞かされたって、私からしたら、覚えていろってほうが無理がある。

　だから忘れてたって仕方がない。

　そう自分の中で言い訳をして、恥ずかしさに蓋をした。