60c Blumenstrauß～空の花束～【リヴァイ夢】 (ページ25)

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𑁍 08 ページ25

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　それでもあちらの世界に居た時ほどの忙しさはなく、向こうの世界にいた時より、睡眠時間もしっかりと取れている。

　時間があるがゆえに、Aがそばにいることも多く、逆にそばにいる時間が長いからこそ、その欲に耐えられない時もあった。

　だが、そういった肉欲的な部分は、走り込みや会社に儲けてあるトレーニングルームで身体を動かすことでどうとでも処理できた。

　まあ、そのせいで一時期、

「畑寺教官、それ以上強くなってどうすんっすか？」

　ストイックすね！

　などと、言われたりもしたが……。

　──Aを無理矢理に抱く事だけはしたくない。

　大切にしたいと、そう思うほどに考えは強固になる。

　
　それでも感情面で抑え切れない想いがあるからこそ、会うたびに彼女に口づけていたわけだが……。

　そんなリヴァイの気を知ってか知らずか……その度に彼女の瞳が潤むことに、危うさを感じていた。

　そのことに、リヴァイ自身、必ずといっていいほど確実に己の自制が効く段階で行為を止めていたのだ。