60c Blumenstrauß～空の花束～【リヴァイ夢】 (ページ22)

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𑁍 05 ページ22

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　大学の寮に住んでいるAは、大学が休みの時には度々リヴァイの住むマンションへとやってくる。

　
　いつでも来ていいと合鍵を渡しているし、こうして彼女が自分が居ない時に来ることもそう珍しいことではない。

　今日も、リヴァイが早く帰ると知っていたから、彼女はここにきたのだとそう思っていたのだが……どうやら違ったらしい。

「お前が寝言を言ってた時から居た」

　そう告げれば、Aはまた動揺した声を上げる。

　
　その姿が愛らしいと感じる。

　
　しかしその一方で、己が随分と甘くなったと認識もさせられるが、それもまあ近頃では、悪くはないと思えていた。

　──どうやらAは、寝言や独り言を聞かれたのが気まずいらしい。

　
　知らぬふりを通してやる方がいいかと考え、「紅茶が飲みたいのか？」と聞けば、違うという言葉が返ってくる。

　
　ふと、さっきAが言っていた欲求不満という言葉が引っ掛かり、リヴァイは彼女の隣に腰掛けるとその唇に軽く口づけた。

　すぐに離れた時の彼女の表情は、まるでまだ足りないと語っているかのようだった。

　そのままを指摘してみると、否定的な言葉とは裏腹の分かりやすい反応が返ってくる。

　