60c Blumenstrauß～空の花束～【リヴァイ夢】 (ページ11)

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　腰に手が伸びてきて、そのまま引き寄せられ軽く口づけられる。

「A」

　青灰色の鋭い瞳を向けられて、名前を呼ばれると胸の中心が甘く疼く。

　ドキドキと心臓が高鳴って、リヴァイ君の事が好きすぎて、胸が苦しくなる。

「リヴァイく──」

　同じように相手の名前を呼ぼうとした瞬間にもう一度口づけられる。

　キスをしているだけたのに、それだけで頭の芯がぼーっとしてくる。

「……それで？」

　唇が離れて聞こえたセリフに一瞬何を言われているのかがわからず、疑問が湧いた。

「エレリとはなんだ」

「──っ！」

　次に発せられた言葉に、そうだったと気がついた時にはすでに捕まってしまっていて、

　逃げようと考えていたのに、

　もう遅い。

　だけど、本人にその内容を伝えるわけにもいかず、私はぐっと押し黙る。

「ほぅ。……言わねえつもりか」

　その時、すっと細められた瞳の奥で蒼色がチラついた。

　

　──夢で見たような、

　捕食者の眼だった。