. ページ30
.
DY
'' なんでアイドルになりたかったの？ ''
今更 なのか、デビューを控える今だからこそ なのか、彼女から飛び出した疑問は素朴なものだった。
DY「なにそれㅎㅎ」
『なんとなく。聞きたくなりました』
ようやく体を起こして壁にもたれて座ったテオが綺麗に口角を上げ目を細めた。
あ、まずい。
2週間で、っていうか最近のこの一週間で分かり始めた事なんだけど、この子が綺麗な笑顔を作る時って大抵逃れられない場合が多い。
お菓子を分けて欲しいとかそんな感じの簡単なものから、模様替えをしたいから手伝ってくれというなかなか大掛かりなものまで。
意外にもマクやヘチャンにはそういったことをしている場面を目撃しないので、もしかして俺だけかも？なんて訳の分からない優越感から彼女からのお願いを断ったことは無い。
DY「ちょっと、恥ずかしいんだけど？」
『わたしも教えるから！ドヨンオッパが先に言ってください』
DY「どう考えてもテオからでしょ」
『それで？なんでですか』
あぁ、そう言う時だけ君は耳が遠くなるんだから…
練習生の時は なぜアイドルになりたいのか という問への答えはものすごく簡単に答えられた。
でもこれが難しいことに、自分がアイドルになって時間が経ってみると、その理由 を口に出すのはなかなか恥ずかしかったりする。
俺の場合、スカウトされたとかそういう類いでは無いので簡単に言ってしまえば歌が好きだったから なんだけど。
誰かにとってはそれが漫画かもしれないし、映画や運動かもしれない。
それが俺にとっては音楽だっただけってことだ。
うわぁ.....こんなこと言ったらメンバーにはからかわれそうだな。
『怖くなかったですか』
DY「え？」
『デビューするのが決まった時、嬉しいだけでしたか』
なんて言うのがいいかひとりで悶々と考えている間に、テオの視線は俺から外れてまた天井に戻っていた。
あぁそういうことか。
誰かの理由 なんてのはどうでも良くて、この子が本当に知りたいのは違うんだ。
DY「怖かったよ。こんな俺でも応援してくれる人がいるのかとか、先輩たちみたいにはなれないかもしれないとか、いっぱい考えたけど」
'' アイドルになりたいって、この場所に来たのは自分自身だから ''
そんな言葉を思わず飲み込んだのは、テオの瞳から雫が溢れそうに見えたから。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1214人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「NCT」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ナカム(プロフ) - あさん» ほんとですか！ジャニさん意外とキーパーソンなんです^^ (2022年6月19日 20時) (
レス) id: fffa1dcefe (このIDを非表示/違反報告)
ナカム(プロフ) - hanaさん» ドヨンさんのプロアイドルな感じ大好きなんです！笑 (2022年6月19日 20時) (レス) id: fffa1dcefe (このIDを非表示/違反報告)
あ(プロフ) - 読み進めるたびにジャニさんに惚れてしまう、、 (2022年6月18日 10時) (レス) @page19 id: d6ffc1910c (このIDを非表示/違反報告)
hana(プロフ) - わあああ。テオちゃんのお話感慨深い上にルムメのドヨンからの言葉はとても響く…テオちゃん頑張れ！ (2022年6月18日 3時) (レス) @page31 id: 0d997ffe25 (このIDを非表示/違反報告)
ナカム(プロフ) - ゆさん» 前作からありがとうございます！！ぜひ期待してください、、、笑 (2022年6月6日 23時) (レス) id: fffa1dcefe (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ナカム
| 作成日時：2022年5月5日 22時
