ヘッドホンの宇宙 ページ26
.
HC
これは俺が常々思っていることなんだけど、人間関係を築く上でパーソナルスペースを重要視することが良好な関係の秘訣だ。
例えばルームメイトであるヒョンの場合、電話をしていた時はさりげなく部屋を出るとか、コーヒータイムは邪魔しないとかそんなレベルの話だけど。
英語で話されたら俺には全く理解が追いつかないんだけどね。
要するに何が言いたいのかと言うと、親しき仲にも礼儀ありってこと。
クソガキだと言われる俺でも実はソレをかなり大切にしてる。
だからヘッドホンなんかつけていたもんなら絶対に話しかけない。
純粋に音楽を楽しんでいるのかもしれないし、周りの音を遮断したいってことかもしれない。
それは本人にしか分からないから絶対にね。
あくまで俺の話だけど。
MK「何聴いてんの？」
その光景を見て盛大にため息をつきたい気持ちになるのは初めてじゃない。
Oh.....Canada...
ソファに体を沈めて音楽を聴いていたテオは話しかけられたのに気づいてヘッドホンを首に掛ける。
『日本の歌手だよ。ユタオッパに教えてもらったの』
MK「へぇ！俺にも聴かせて」
イヤフォンじゃないんだから半分こなんて出来ないのに、目を輝かせて身を乗り出したマクヒョンにテオは嫌な顔ひとつせずにヘッドホンをヒョンの頭に乗せた。
空気の読めないヒョンにも小言ひとつ言わずどうしてそんなに優しくできるのか切実に教えて欲しいものだ。
もともとテオの性格もあるんだろうけど、少なからず気を遣っている部分もあるんだろう。
それは俺の 気を遣う とはまた違う分類の。
HC「イマーク」
MK「んぉ？」
HC「ヒョンはデリカシーがない」
MK「や〜いきなりなんだよ」
HC「ほんとに.....あぁ、困ったヒョンだよ」
MK「やー！！だからなんだよ！」
だけど俺は知っている。
同い年なのに俺より容姿も内面も大人びている彼女の幼稚な部分を。
HC「でもそんなヒョンだからいいんでしょ」
MK「はぁ？？」
『そうなの。趣味が悪くて困るよね』
HC「後でそれ俺にも聞かせてね」
マクヒョンからしたら「What's!?」な会話の内容にテオがしれっと参加したもんだから目の前のこの人は不審な視線をキョロキョロとさせている。
ずるいな。
俺だって、ヘッドホンの外に広がる宇宙を教えてあげられるのに。
いつだって勝てなくて悔しいのに、俺だって負けないくらい大好きなのがもっと悔しい。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1214人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ナカム(プロフ) - あさん» ほんとですか！ジャニさん意外とキーパーソンなんです^^ (2022年6月19日 20時) (
レス) id: fffa1dcefe (このIDを非表示/違反報告)
ナカム(プロフ) - hanaさん» ドヨンさんのプロアイドルな感じ大好きなんです！笑 (2022年6月19日 20時) (レス) id: fffa1dcefe (このIDを非表示/違反報告)
あ(プロフ) - 読み進めるたびにジャニさんに惚れてしまう、、 (2022年6月18日 10時) (レス) @page19 id: d6ffc1910c (このIDを非表示/違反報告)
hana(プロフ) - わあああ。テオちゃんのお話感慨深い上にルムメのドヨンからの言葉はとても響く…テオちゃん頑張れ！ (2022年6月18日 3時) (レス) @page31 id: 0d997ffe25 (このIDを非表示/違反報告)
ナカム(プロフ) - ゆさん» 前作からありがとうございます！！ぜひ期待してください、、、笑 (2022年6月6日 23時) (レス) id: fffa1dcefe (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ナカム
| 作成日時：2022年5月5日 22時
