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「こンのクソナードが、無責任にヴィランなんざ助けてんじゃねぇ！！」
「っ、けど！」
「るっせぇ死ね！！ さっさと行動不能にしねぇからこうなったんだろが！ アア！？」
すっかり動かなくなったAは、ぼんやりと頭に霞がかったような感覚になった。
氷に剥き出しの皮膚が貼り付く。
死柄木と黒霧はぼそぼそと話をしている。
その目が、こちらを向く。
「ああ、まだあるじゃないか、オールマイト用のが……！」
ぎらりと冷たい熱量を宿した瞳が、Aを映して輝く。
刹那、ワープした死柄木の手が氷塊を崩した。
「A！！ オールマイトを殺せ！！」
それはAが求めたものだ。
「ヴィラン！ まだその子を使うというのか！！」
「そっちの地味のが拾ってくれたおかげでまだ動くからな！ 感謝するよ。それより余所見していいのか？」
忌々しげに声を荒げるオールマイトに死柄木はさも愉快そうに嫌味を告げる。
自由になり即座に最大出力で拳を地に叩き付けて身体を起こすと同時に弾き出したAはすぐそこまで肉迫していた。
本来は自壊しないよう誰しもが無意識下でセーブしている、所謂「火事場の馬鹿力」のフルパワーだ。
当然のように壊れた腕が元に戻り、発生した光をエネルギー弾として携える。
脳無との戦いでオールマイトが消耗しているのも事実なため、確実に仕留めるべく、死柄木と黒霧も駆け出す。
Aには全てがスローモーションな音のない世界に見えた。
彼を殺して、意味も意義も亡くしても、
少なくとも、この世界に拠り所のないAにとってはそうだった。
たとえただの道具以下にしか見られていなくても、始まりはAを求めてくれたものだったのだから。
それが嘘であっても。
虚に霞む朧な心は静かに、そう答えを出した。
ゼロ距離で光弾を撃ち込むべく、構えた腕を振り抜く。
「──だめだ！！！！」
突如として認識した声は、誰もいないはずのま隣から。
Aが反射的にそれを見るより速く、それに突き飛ばされ、逸れた光弾は地を穿った。
突き飛ばしたそれはかなりの勢いだったため、その原因はAを巻き込んで転がる。
漸くそれを視界に捉えたときには、その向こうで死柄木が銃撃を受けていた。
次いで
視線を死柄木たちに戻せばワープで撤退するところで、Aは少年に下敷きにされたままそれを見ていた。
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詞葉(プロフ) - 蓮さん» コメントありがとうございます。とても嬉しいです！ 何分遅筆なものでお待たせすると思いますが、是非よろしくお願いします。 (2020年3月12日 12時) (
レス) id: dc1dd40e5c (このIDを非表示/違反報告)
蓮(プロフ) - とても面白いです…！更新楽しみにしてます！ (2020年3月11日 1時) (レス) id: 0d837f5408 (このIDを非表示/違反報告)
詞葉(プロフ) - 桜猫さん» コメントありがとうございます。ちょっと迷走しつつあるので気長にお待ちいただければと思います。いただいたコメントでモチベ上げて頑張りますね！ (2019年9月2日 23時) (レス) id: df44a89d14 (このIDを非表示/違反報告)
桜猫(プロフ) - 夢主ちゃんの今後が気になりますな… (2019年9月2日 17時) (レス) id: b3a762d464 (このIDを非表示/違反報告)
詞葉(プロフ) - ルーさん» コメントありがとうございます。とても嬉しいです！ 仕事の合間にぽちぽちするのでゆっくりになりますが、ハピエン厨なのでそうしたいと思っています。 (2018年2月8日 17時) (レス) id: 703ce966a6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：詞葉 | 作成日時：2017年10月7日 13時
