リトル・ヒアー III (ページ17)

今日:8 hit、昨日:3 hit、合計:81,967 hit

117dB ページ17

*

Sota side

｢ヨっ！オトコわく！！｣

湧｢なんなんだよその煽り(笑)｣

ぶじに青い風を吹かせておわった競技大会は

いつもみたいに余韻になって、帰り道までからだの回りにふわふわ漂って抜けきらなくて。

それよりも、なんだかやっぱり

となりのわくを見ると
しっかりじぶんまで幸せで。

きっとふわふわしてるこの足元は、そのせいなのかもなあ、なんて
勝手に上がる口角を元にもどすことも、もうずいぶん前にあきらめちゃった。

本当はわくとAで2人きりにして帰ってやろうかとも思ったのに

のえるくんに今日はお母さんに迎えに来てもらいなさいって言われちゃってたから

まあやっぱりおれが付き合ってあげるよ！って、おとこふたりの帰り道。

湧｢そーた、｣

｢んー？｣

湧｢あんがとな。｣

｢いーえーー｣

おれはちょこっと背中押してあげただけだもん。

さいごに自分の気持ちちゃんと伝えたのは2人でしょ。べつになんもしてないもーん。

でも、

｢悲しませたら許さないもんねえ｣

これだけは、どんな理由でもその時はおれがAのこと守るもん。

だからぜったい、泣かせたりしないでよ。

湧｢ったりめーだろ。｣

…そんな心配、相手がわくなら
やっぱりいらないかなあ。

.