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｢なあ、今日俺がずっと緊張してたの知ってる？｣
A｢そんなのしらない、っ、｣
なんで今そんな話するの、とでも言うように上げた顔。
未だにボロボロこぼれる涙に、今日は泣かせるつもりなんてなかったんだけどなあ、って。
目の前のAが愛しくて
いつかこいつが泣いた時もそうしたように、背中に腕を回して、ぎゅっと抱きしめた。
｢俺もAとずっと一緒にいたいから、
だから絶対伝えたいことあって、ドキドキしてた。｣
A｢どういう、こと、…？｣
｢A、
俺が好きで好きでたまんなくて、ばかみたいにドキドキすんのなんて
お前だけだよ｣
A｢へ、ま、まって｣
｢なんでだよ(笑)
俺はAの彼氏になりたいよ
お前は俺のかのじょ…なりたくねえ、？｣
A｢…っ、｣
｢もーまた泣く(笑)｣
A｢っ、なりたい、わくのかのじょに、して…っ、？｣
｢ん、お前じゃなきゃやだ｣
腕の中でそう確かに言ったA。
夢じゃないかって思ったけど、それならそれで
どっちにしろ、俺はいま世界一幸せだ。
｢ハチマキ、俺と交換してくれる？｣
A｢うん、もちろん｣
ポニーテールのてっぺんにリボン結びされた、赤いハチマキ。
シュル、と引っ張って小さくたたんだその手に
俺も自分のハチマキをたたんで、そっと差し出した。
｢ 約束する、
俺がぜったい、幸せにするって。｣
A｢もう充分、しあわせだよ…、｣
｢そ？…おれも、めっちゃ幸せ。｣
いつも隣にいたのに、これっぽっちも気づかなかった。
自分だけ好きで、自分だけがドキドキしてると思ってた相手が
同じように自分のことを想ってくれてたなんて
俺、どこから喜んだらいい、？
A｢わく、｣
｢ん？｣
A｢だいすき…っ、！｣
俺も、お前のその気持ちよりきっと
もっと好き。って
大好きな笑顔で笑うAを、もう1回
ぎゅっと抱きしめた。
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作者名：スイ. | 作成日時：2021年8月31日 21時
