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A｢颯太？教室もどる？｣
｢ううん、ねえA｣
A｢うん？｣
｢ハチマキ渡したい人、いるんでしょ
今年の競技大会は今日しかないんだよ、来年だともうおそいかもしれないよ｣
引っ張ったまま両手を繋いで、しっかり目を合わせれば
少しだけ揺らいだ、Aの大きな瞳。
A｢でも、もうおそかったよ、？
きっと、あの子が大切な人になるよ。だから、｣
さっきから名前は言わないけど、そんなのもうだれかなんてバレバレだから。何年幼なじみやってると思ってんの。
��大丈夫�� も、��もういいよ�� も絶対言わせない。
へらりと笑ったAの手をぎゅっと握り直せば、どうしたの颯太、ってちょっとだけ泣きそうな声。
…もう、そんなになるくらい想ってるんじゃん。ばか。
2人がくっつくの手伝うの、これが最後だからね。
｢あのね、湧がいちばん大切なのは
いつだってAだよ｣
A｢、へ ｣
｢そうやってあきらめちゃだめだよ、自分に正直になんなきゃ。
あ、もちろん俺もだからね！2人がいちばん大切！｣
だからさ、
｢ほら、ちゃんと自分の気持ち伝えてきな
いまならまだ間に合うよ｣
A｢…っ、うん｣
2人には、いちばん幸せになってほしいから。
A｢颯太、！！｣
｢ん？｣
A｢ありがとう！！｣
｢いーえ！早く行きな！(笑)｣
振り返ったAに、はやくはやく！とわくを指させば うん、としっかり頷いて。
その顔が少しだけ泣きそうに見えたのは、気のせいかな
あーあ、もうおれの胸も当分貸してあげられないなあ。
自分の足で、ゆっくりゆっくり。
Aがわくの所についた頃には、ちょうど女の子も居なくなってて。
ちゃんとまだわくの手に残ってる赤いハチマキが見えて、安心した。
.
安嶋｢うっちー、いいの？｣
いつから居たんだよ、(笑)
さっき女子に交換せがまれてたじゃん。
…あじはとっくに気づいてたんだ ？ほかのみんなには言ったことなかったのに。
｢ 、、
おれはいーよ。
だって 湧と一緒にいる時のAのこと見てきて
.
好きになったんだもん。 ｣
"そんなの、一緒になってもらわなきゃ困るっしょ？(笑)"
なんて、ほんとはちょっと
悔しいけど。
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作者名：スイ. | 作成日時：2021年8月31日 21時
