√通過電車

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「ただいま〜」

玄関の扉を開くと 男物のスニーカー









母「あら、おかえり

優太くん 来てるわよ？」









「え！」



階段を登り自分の部屋の扉を開けると

ちゃぶ台のうえのお菓子を食べている優太









優「よ！ 遅かったな」









「なんでいるの？」









優「これ、返したくって」
私が貸したCDをヒラヒラと掲げる









「学校で渡してくれればよかったのに」


そう言えば ‘んー’って考えて









優「久々にAと話したかったし」




「今日、一緒に帰れなくてごめんな？」





って、



忘れかけていたはずの
優太への気持ちが心の中で見え隠れする









「…ううん

これからは鈴佳ちゃんと帰りなよ」




恋人と帰るのが当たり前のことなんだよ。









優「んー、Aの方が居心地いいもん」


無邪気に笑った優太









胸が苦しくなって

まだ優太のこと好きなんだって思い知らされる









「……鈴佳ちゃん 嫉妬しちゃうよ」

声を振り絞る









.









優「Aは特別だもん」









ばか









優「だから、また一緒に帰ろうな？」









なんで そんなこと言うの









優「 A？ 」









好きだよ。









「……うん、帰る」









.









＿＿＿ 顕嵐くん、







まだ 優太のことは忘れられないかも









√ 残像

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