√通過電車

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テレビもついていないリビングがやけに静かに感じた









みつめあう視線の先に 見慣れた優太の顔









優「阿部と、付き合ってんの？」

小さく呟かれた言葉









動揺した、予想外の言葉




「つ、付き合ってないよ」









「なんでそうなるのっ」


少しでも明るく切り返す









なのに優太の顔は 真剣なままで、









優「じゃあ、アイツのこと好きなの？」









心臓がとびはねた


好き？ 顕嵐くんを…


自分でもわからない質問に、返す返事出てこない









「え、っと それは…」

歯切れの悪い返答に優太の顔がくもった









優太が好きなのか

顕嵐くんが好きなのか









答えのでない疑問が 脳内を駆け巡る









優「 ……俺、最近 変なんだよね」



焦る私を切なそうに見下ろす









優「今まで隣にいて当たり前だと思ってた女の子が、どんどん遠くなってくの感じて









嫉妬したり、触れたいっておもったり









ずっと幼なじみやってきたのに









＿＿気付いたら、女の子としてみてた。」









優太の声が耳を染める









「……え？」



優太の言葉が理解できない。
なにも言えない私に言葉を続ける









優「鈴佳と別れたのも、

その子のことが好きになっちゃったから」









胸が苦しくて、呼吸が浅くなる









「それって、」

バカな頭を必死で回転させる









何年も一緒にいた優太の声が、

今までで一番甘く響いた。









.









.









優「＿＿Aが、好き。」









√ 甘

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