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転生したかもしれないという疑念は案外早く確信に変わった。

というのも、あの後私の両親を名乗る人物が現れたのである。本来の両親とは全くの別人だったが。

だが不思議だ。名前が前世と全く同じ、小野町Aだったのは…こんな事あるのだろうか。

……いや、転生してるんだからもう何があっても不思議では無いか。


そして私は普通に成長し、順調な日々を過ごしていた。もちろん、今世の両親との関係は良好である。

前世では…いや、今はどうでもいいか。



それから、年下だが新しい友人もできた。
名前は鈴木入間。なかなか波乱万丈な人生を送っている少年だ。

出会ったのは家の近くの公園。盛大に転んだのか、擦り傷だらけの入間を手当したのがきっかけだった。


『…そこの君、大丈夫?』


最初、入間は自分に声をかけていると思わなかったのか反応はなかったが、軽く肩を叩くとこちらを振り向いた。


『君、擦り傷だらけだけど大丈夫?』


「えっ!?あっ、僕ですか!?大丈夫です!ちょっと転んじゃっただけなので!」


『……しばらくここで待ってて、なるべく早く戻るから』


彼がそのまま留まってくれる確証はなかったが、手当するための消毒液と絆創膏を買いに近くのコンビニに向かった。

数分で戻りまだ入間がいるか公園を覗いてみると、ベンチに座っている彼を見つけた。


『良かった、待っててくれて』


「あの、一体何を…?」

不思議そうにこちらを見る入間。


『何って、君の手当だけど…?』


「えっ僕の?」


『うん、他に誰がいるの?ほら傷見せて』

半ば強制的に彼の傷に手当を施した。ちょっと強引だったかもしれないが、こうでもしないと話が長くなりそうだったし仕方がない。


「ありがとうございます、僕の為にわざわざ…」

『ん、気にしないで、私は普通のことをしただけだし。あ、これあげるから使ってね』

そう言って私は先程買ってきた消毒液と絆創膏が入った袋を彼に手渡した。


「え、そんな!貰えませんよ!」

『いいからいいから、なんも怪我してない私が持ってるより君が持ってた方がいいでしょ。』

「じゃあせめてお金を…!」

『要らないって、私が好きでやった事だしほんとに気にしないで。』

律儀な子だな。

その日はそれで解散したのだが、その後も近所でちょこちょこ顔を合わせるようになり今では立派な友人に。

そして今に至るという訳だ。

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作者名:スカッシュ | 作成日時:2024年3月5日 22時

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