乾青宗は妹を取られたくなくて必死な様子です【2】

東京卍會 ページ7

Aの目の前には黒い特攻服を来た人達が姿勢を崩すことなく並んでいる

空気は張り詰めていて、男達の背中から真剣さがひしひしと伝わってくる



《なに、これ…すごい人数…それにこの雰囲気…。この人達全員東卍のメンバーなの？あれ？前に居るのって堅たち？それに立って話してるのって万次郎？？》

信じられない光景に目を離せないA



エマはAと日向の手を引いて指で木の方を指差し、''あっちに移動しよう''と合図する

ゆっくり頷いた2人はエマの指示通りにこっそり歩き出した


その時



Aの後ろにスっと誰かが立つ




《びっ、くりした……この人誰…？》

驚いたAは声も出ずに肩をびくっと震わせる


しかし隣に居た日向はその人に気付いた瞬間、きゃっと小さな悲鳴をあげてしまった






東卍の集会に響くはずのない女子の声





真剣に話を聞いていた隊員達が一斉に振り向き、ざわざわとし出す



「なんだなんだ…」
「なんで東卍の集会に女が？」
「あれ総長の妹じゃね？」
「隣は？」
「あーオレ知ってる。タケミチさんの彼女(ヨメ)だよ」
「てか真ん中の子可愛くね？」





エ(あ〜やばい。この男が居るの忘れてた)

Aの後ろに立つ男を見てやってしまった、と顔を歪めるエマ




？「マイキー！邪魔が入った」

その男はAの腕を掴み、万次郎に報告する



その瞬間ものすごい勢いで走ってくる総長、副総長、隊長たち




万「A！どうしてここにっ」

龍「こんなとこ来たら危ないだろっ」

場「はぁ？なんでここにAが居るんだぁ？」

三「え、マジかよ…」

羽「A？本物？？」



《どうしよう…やっぱり怒ってる！！》

慌てて走ってくる万次郎たちに思わず後退りしてしまう



エ「なによ！マイキー達が来ちゃだめとか言うからAちゃん勘違いしてたんだからね」

日「ごめんなさい、無理やり連れて来てしまって…」


Aの前に出る2人


『違うの、最終的に行きたいって判断したのは私だから…その、勝手に来ちゃってごめん』


2人の後ろでしゅん、と小さくなるA


勢いで少し怒りそうになった万次郎たちもそんなAの姿を見て、大人しくなる






そしてある事に気付いた万次郎は物凄い剣幕でAの後ろに立つ人物に話しかける


万「おい春千夜、その手離せ」

春「え」

万「早く」

春「すみません…」


春千夜と呼ばれた男は万次郎に言われた途端、掴んでいた手をすぐに離した

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