乾青宗は妹を取られたくなくて必死な様子です【2】

お金の行方 ページ4

春の木漏れ日が降り注ぐ
気持ちのいい休日




Aは新しい服を買うためにショッピングに来ていた。

その両隣には、家でAが言った「新しい服欲しいなぁ」という独り言を聞き逃さなかった男、青宗と

2人がショッピングに行くことを聞いて自ら財布になると名乗り出た男、九井の姿が







店内はほとんど女性しかいないため、店員や他の客は近くで服を選んでいる美男2人組をちらちらと横目で見ている。

中には思い切って声を掛ける人も居たが、2人は無視して真剣に服を選び続けていた。










青「A！これ可愛くない？絶対似合うよ」

ゆっくり歩きながら一つ一つ服を見ているAの元へ大量の服を抱えて来た青宗。



九「さすがイヌピー、それ全部買おう」

『全部は買いません。一くん財布開くの早いよ』

青「全部似合うと思ったのに…」

すぐに却下されて落ち込む青宗



『…気持ちは嬉しいけど、全部買ったらお兄ちゃん達のお金なくなっちゃうからだめ』


そう言いながら青宗が持ってきた服を戻そうとするA。

そんなAを2人は愛おしそうに見つめる。




青「Aはお金の心配しなくて大丈夫。むしろもっと欲張っていいんだよ？」

九「イヌピーの言う通りだよ。俺たちはAちゃんのためならいくらでも出せるから」

青「そうそう。だから欲しい物ちゃんと教えて、ね」



2人はAの目線に合わせてかがみ、綺麗な瞳をじっと見つめる




『……言わなきゃだめ？』

Aの言葉にゆっくり頷く





『…じゃあ、これとこれが欲しいな』

Aが手にしたのはさっき青宗が持ってきた大量の服の中にあったワンピースとトップス。それをおずおずと目の前に差し出す


九「ん、了解。じゃあ買ってくるね」

九井は微笑みながら服を受け取ると、嬉しそうにレジへ向かって行った。

青宗も満足そうな顔でAの頭を撫でている。





九(さっきの可愛かったな…どうしようもう1回見たい…2店舗目行くか)

青(なにあれ可愛すぎる。しかも選んだ服俺が持ってきたやつだし…次の店…)






帰宅後



『ただいま〜』

赤「おかえりA！！」

帰ってきたAを出迎えに玄関に行った赤音




赤「青宗、一くん。2人ともいくら使ったの……」

そこには大量のショッパーを持った青宗と九井がいて、若干引いてしまう赤音だった

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