呼び名 ページ23
羽「A!早く上行こ!!」
三途と仲良さそうに話してるのが気に食わない羽宮は、わざと間に割って入って、Aの手を取り、急いで階段を上り始める。
『え!ちょっと一虎!私いま春くんと話してたんだけど…』
羽「は、る…くん…?」
Aが三途の事を''春くん''と呼んだ瞬間、羽宮の顔がどんどん曇り始める。
羽「え?いつからそう呼び始めたの?なに?もしかしてそういう関係?知らなかったのオレだけ?え??」
Aに詰め寄る羽宮の顔は笑っているのに、目は笑っていなくて。
瞬時にやばいモードに入ったと判断したAは羽宮の顔を両手でむぎゅっと包み込み、無理やり目を合わせる。
『私が春くんって呼んでるのは、春千夜くんだと長いから省略してそう呼んでるだけ!今日初めてちゃんと話した!あと、私が下の名前+呼び捨てで呼んでるのは特別な人だけって知ってるでしょ?一虎』
羽「そう…なの?」
『うん!他に聞きたいことは?』
羽「…ない」
『よし!じゃあ上行こっか〜』
突然の説明に呆気に取られた羽宮は頷く事しかできず、目の前の綺麗な瞳をじっと見ていた。
そして気付いたらさっきまでのドロドロとした感情はなくなっていて、今はAに優しく手を繋がれて歩いている。
止めに入ろうとした三ツ谷と松野も、もう大丈夫だと思い目を見合わせて笑っている。
羽「ごめんA…オレ、面倒くさいよね?」
下を向きながらAの背中に聞く。
『何言ってるの、一虎は自分の気持ちに正直なだけ。全然面倒くさくないよ』
Aは振り返って笑顔でそう言った。
羽宮から見たAの笑顔は、後ろで照らす夕陽と同じくらい温かく輝いて見えた。
羽「やっぱオレにはAしかいねーわ…」
『ん?何か言った??』
小さくボソッと呟いた羽宮の声は届かなくて。
少し残念に感じたけど、振り向いたAの顔を見たらそんな事どうでも良く思えた。
羽「んーん!なんでも!適当に集会終わらせて早く帰ろ〜」
『え〜、適当はだめでしょ!でも今日は私も早く帰りたいかな』
羽「じゃあオレのに乗って帰る??」
『いいの?じゃあお願いしちゃおうかな。ありがとう一虎』
こうして、じゃんけんなしでAの帰りの送迎権を獲得した羽宮はこの後ずっとご機嫌だったらしい。
もちろん帰り道は遠回りして帰った。
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ユノン - 続きが気になる (11月3日 16時) (レス) id: f5fff43cec (このIDを非表示/違反報告)
まつゆ - ふるぽてさん» すごく面白いです!夢主、イヌピーの妹愛され大好物です!過保護すぎな程すてき。もっと皆と絡みまくってほしい…特にドラケンもココも場地さんも千冬くんも、灰谷兄弟と河田兄弟と春千夜くんとワカさんと絡みに絡みまくってほしいです!!更新応援してます! (2023年2月1日 6時) (レス) id: 20512135de (このIDを非表示/違反報告)
うさぎ - 更新まってます (2022年7月22日 10時) (レス) @page22 id: aa2b55b842 (このIDを非表示/違反報告)
うさぎ - 神作すぎんか (2022年7月22日 10時) (レス) @page21 id: aa2b55b842 (このIDを非表示/違反報告)
ふるぽて(プロフ) - ミートスパさん» ミートスパさんコメントありがとうございます!温かいコメントに本当に救われます…最近私生活も落ち着いてきてまた頑張ろ!!ってなっているので更新頻度上げれるようにしますね! 新しいエピソード始まるので楽しみにして下さい(*´˘`*)♥ (2022年5月15日 20時) (レス) id: 82584e8201 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ふるぽて | 作成日時:2021年12月20日 21時