乾青宗は妹を取られたくなくて必死な様子です【2】

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千「A！今の見てたか！」


足元で伸びている男性がいるにも関わらず、気にも留めない様子でAに話しかける千咒

リングの上から身を乗り出し、すごいでしょ！と得意げな顔をしている



『うんうん見てたよ〜千咒ちゃんすごい強いんだね！』

本格的な試合形式ではなくミニゲームとはいえ圧倒的な実力差で男性相手に勝った千咒を見て、Aはパチパチと手を叩いて楽しそうにしている



千「よし！じゃあもっとすごいの見せてやるよ！おいオマエ今暇か？少し付き合ってくれよ」

Aに褒められたのが嬉しくて堪らない千咒は、もっと見てもらいたくて近くで打ち込み練習している人に声をかけ始めた




今「どうした武臣。そんな驚いた顔して」

明「いや、別に…Aの事だから仲良くなるだろうなとは思ってたけどアイツがこんな早く懐くとは思わなくて」

荒「確かに。今の千咒はAちゃんにかっこいい所を見てもらいたくて必死っていう感じだよな」

近くで見ていた大人3人は普段の千咒からは想像出来ない姿に驚いた様子だ







千「なぁなぁ！さっきのスゴかったろ？」

『うん！躱してからのパンチめっちゃ速かった！』

千「だろー！相手の一瞬の隙を狙って打つんだよ」

またリングの上に男性を転がしたまま放置して、Aと並んで話しながら3人の元へ歩いていく



今「お疲れ〜今日絶好調じゃん」

千「まあな！Aにいい所見せたいし」

『いっぱい見せてもらったよ！3人から聞いてたけどこんなに強いとは思わなくてびっくりしちゃった』

荒「見せすぎて数名大変な事になってるけどな」



楽しそうに会話するAたち

すると突然、Aが何か思い出した様子で鞄の中を探し始め、中から可愛らしい袋を取り出した



『実はね、今日のためにクッキー焼いてきたの！もし良かったら食べてみて』

そう言って袋を開けると中には可愛らしい形のクッキーがたくさん入っており、中を覗いた4人はおお〜と感嘆の声を上げる




荒「めっちゃ美味ぇ！！」

千「……天才か？」

今「A〜もっと食べていい？」

明「後で真に自慢しよ」



4人は次から次へと口の中へ運び、大量にあったクッキーがあっという間になくなってしまった


『喜んでくれて良かった！今度は違うのも持ってくるね』

千「……また、来てくれるのか？」



今度、という言葉を聞いて嬉しそうな、どこか恥ずかしそうな千咒

そんな千咒にAはもちろん！と満面の笑みで頷いた

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