乾青宗は妹を取られたくなくて必死な様子です【2】

S･S MOTERS ページ11

真「そうかそうか、それは大変だったな」

バイクをいじりながらAの話を聞いて可笑しそうに笑う真一郎


『もう！笑い事じゃないんだからね！家まで送ってくれた東卍のみんなを1人ずつ殴ろうとするし、1週間接触禁止令出すし』

その隣でぷんぷんと怒りながら昨日の出来事を話すA



夕暮れ時

客のいないバイクショップに2人の楽しそうな声が響く







どうやら、青宗の理不尽な暴力は阻止出来たが接触禁止令は取り下げて貰えなかったらしい




『万次郎たちもお兄さんさんの言う事は聞かなきゃいけない、って学校でもよそよそしいの！学校での様子なんてお兄ちゃん見てるわけないのに』

真「へぇ、あのマンジローがA以外の人の言う事聞いてんのか、それは驚いたな」

(ていうかその''お兄さん''じゃなくて''義兄さん''って意味で使ってると思うぞそれ)


心の中で1人静かにつっこむ真一郎
しかし口には出さずに黙ってAの話を聞いている



『それでね、私気付いたの…万次郎たち以外に友達いないかもしれないって。クラスに友達いるけど放課後遊ぶくらい仲良い人いないし、思い返してみればいつも遊ぶのは万次郎たちかエマちゃんとヒナちゃんくらいだし…』

真一郎から貰った紙パックのいちごミルクをちう、と吸って少し寂しそうな表情をするA



それに気付いた真一郎はバイクをいじっていた手を止めて体をAの方に向ける


真「そんな顔すんなって。大丈夫、Aは自分が思ってる以上にたくさんの人に愛されてる。友達の数なんて関係ねーよ」

真一郎の手がAを包む

Aにとってその手はとても優しく、大きな安心感を与えてくれた





真「俺だってそんなに友達いねーし」

『うそだ』

真「Aに嘘つかないよ」

『だってここにいっぱい人来るじゃん』

真「あー、あいつらは友達っていうよりかは仲間、かな。遊んだりするのはほんの少しだよ。Aとおんなじ。
だからこれからもここに遊びに来てくれよ、な？」


Aの顔を覗き込み、子供のような笑顔を浮かべる真一郎

つられてAも笑顔になり元気に頷く



下に3人も弟妹がいるからか、年下の扱いが上手いようだ







『真一郎くんありがとう！！』

真「こら、いきなり抱きつかないの。工具があるから危ないだろ」

そう言いつつ満更でもない表情で軽々と受け止める














「おーおー、なんだ？お邪魔だったか？」

その時、自動ドアの無機質な音と同時に1人の声が響く

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