乾青宗は妹を取られたくなくて必死な様子です【2】

初日 ページ2

『乾Aです。これから3年間よろしくお願いします』

席を立ち、クラスメイトの方を向いてお辞儀をするA。








入学式も終わり、新入生達は各教室に戻っていた。

他のクラスは配布物を配ったり自己紹介を始めたりしていて、Aのクラスの特進科も自己紹介の真っ最中。



Aの自己紹介が終わるとざわざわとしだすクラスメイト達。

「あの子新入生代表の挨拶してた子だ…」
「近くで見るとめっちゃ可愛い」
「才色兼備とはまさにこの事だね」
「特進科って各学年1クラスでクラス替えないから3年間一緒でしょ？超ラッキーじゃん！」


新入生代表の挨拶を務めたAはみんなからの注目を集めていて、可愛い子がいると他のクラスから見に来る人がいる程だった。



先生「はいどんどんやってこー。このクラスは1番配布物多いから自己紹介に時間とってられないぞー」


そして配布物を配り終わりそうになると、他のクラスが一気に騒がしくなる。先生の言っていた通り、特進科は時間がかかっていたようだ。



《あ、他のクラス終わったみたい。万次郎達こっち来るかな…》

廊下側に座るAは少しそわそわしていると、複数の足音がすごい勢いで近づいてくる。








佐「聞いてA！俺達4人とも同じクラス！！」

龍「高校生にもなってマイキーのお守りとか…」

羽「席1番廊下側なんだね。奥の方じゃなくて良かった」

三「A帰りどうするー？腹減ったしどっか寄ってかない？」


廊下側の窓を開けていきなり話し始める4人。





この状況に衝撃を隠せない先生とクラスメイト達。

もちろんLHR中に邪魔をするという時点で衝撃を受けるが問題はそこではなく、入学式の時、新入生代表の挨拶で良い意味で注目を浴びた美少女と、同じく入学式で怖すぎると悪い意味で注目を浴びた不良達が仲良さそうに会話している事だ。



『ちょっと4人とも。私のクラスまだ終わってないから大人しく待ってて』

Aはそう言うと静かに窓を閉め、すみません、とみんなに謝る。

初日→←開幕

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す