乾青宗は妹を取られたくなくて必死な様子です【1】

・ ページ2

「ねーねー、今暇？」
「オレらと遊ぼーよー」



空を眺めていた少女の頭上から突然降ってきた声


声の持ち主は制服を着崩した不良たちで、振り返った少女の顔を見た途端気持ちの悪い笑みを浮かべる。

「キミめっちゃ可愛いね」
「彼氏いるのー？」
「オレ立候補しちゃおっかなー」



ギャハハと下品な笑い声で笑う不良たちを見て、何の事だろうと大きな目で瞬きを繰り返してた少女もようやくやばい人達に絡まれたと気付く。




『あの、すみません。人を待ってるので……』

自分が待っている人達がこの状況を知ったら間違いなく怪我人が出てしまうだろうと思った少女は、ベンチから立ち上がり急いでその場から離れようとする。


しかし咄嗟に腕を掴まれてしまう。



「逃げるなって」
「大丈夫だよオレたち優しいから」


『え、あの、逃げるとかそういうのじゃなくて、私の友達がこの状況知ったら…』





少女が何故か焦っている様子で慌てて説明する。


不良たちはどういう事だ？と顔をしかめるも、深く考えてないようですぐにまあいいか、とまた気持ちの悪い笑みを浮かべる。



そして逃がさないと言わんばかりに少女の細い腕を掴む力を強くしたその時、聞き慣れたバイクのエンジン音が辺りに響く。



















佐「おい、その手離せ」

龍「無事かーA」


目の前にバイクに乗って現れた佐野、龍宮寺、場地、羽宮の4人。Aの腕を乱暴に掴む男達を見て明らかに怒っている。



「なんだなんだ、ガキがバイク乗ってるぞ」
「お前らには自転車がお似合いですよー」


そして火に油を注ぐ男達。



場「あﾞ？誰に言ってんだこいつら」

羽「さぁ？ゴミが言ってる事なんてオレには分かんない」















そう、


少女が待っていた人物とは佐野万次郎、龍宮寺堅、場地圭介、羽宮一虎の東卍メンバー。


本来ならここに三ツ谷隆、林田春樹、林良平もいるが今日は先にいつものとこに向かっているとのこと。










そして、


このメンバーが何よりも大切にし一途に想うのがこの世でただ一人、目の前にいる乾Aだけである。

・→←Prologue

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す