検索窓
今日:23 hit、昨日:22 hit、合計:63,163 hit

17 ページ18

マイキーside




静かにゆっくり自分の思いを言葉にする。

目の前の彼女はただ黙って俺の話を聞いていたが、途中から何かを考える様子になり、


「マイキー、私の事探してくれてありがとう。私も会いたかったよ……。でもね、私ずっと手紙書いてたよ。マイキーから手紙来なくなっても…ずっと……」

不思議そうな顔をしながら話すA…。




その時ふと俺の頭の中にある人物の顔がよぎった。







''一条翔''







最近の翔の行動を思い返してみると、何故か納得出来た。あの男ならやりかねない。…それにしてもあんな昔から牽制されていたなんて…。


ひとり納得していると、未だに「おかしい…」と考え込む様子のA。

ここで一条翔の名前を出して、あいつの本性を暴いてやりたいところだが、Aの悲しむ顔を見たくない。

それに俺に関わっても良い事はないから、離れていた方が正解だったのかもしれない…。





まあ、今となってはもう二度と手放すことは出来ないが。





矛盾した意見の自分に小さく笑うと、彼女の手を取る。

「今はまた会えたからなんでもいい。…それより今度2人で行きたい場所がある。付き合ってくれるか…?」


少し緊張しながらそう言うと、


「………それってデートのお誘い?」


と上目遣いで恥ずかしそうに聞いてくる。




はぁぁ、…こんなの一体どこで覚えてきたんだよ。…まあ、こんな綺麗な人をほっとく男なんていないよな、きっといっぱい経験あるんだろうな、と複雑な気持ちになる。



せめてもの仕返しにと

「そう、デートのお誘い」


と真剣な顔で言うと、みるみる頬が赤く染る彼女。そして目を逸らし俯きながら、「お誘い受けます…」と可愛らしい声で答える。


え…こんな顔もするのか…



思わぬ反応に驚いていると、スマホの着信音が部屋に響く。

俺のスマホだ。名前を見ると「九井 一」の文字。

仕方なく出ると、「一条翔が遅すぎる、とただ今部屋に向かいました。すみません。」と。
全く、あいつは待ても出来ないのか…




まあ今日は自分も色々と限界だからこれくらいで帰るとするか。次の約束も出来たことだし…




そう思い、Aの手を優しく取り、部屋を出た。

18→←16



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (90 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
397人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ふるぽて(プロフ) - きなりんごさん» きなりんごさんコメントありがとうございます!クソデカボイスで好きと叫んで頂けて嬉しいです! 物語は終わってしまいましたが、たまにでいいので読みに来てみてくださいね^^ (2021年11月30日 20時) (レス) id: 82584e8201 (このIDを非表示/違反報告)
ふるぽて(プロフ) - しゅが〜さん» しゅが〜さんコメントありがとうございます!実はLINEの返信を待つシーンが自分の中でも結構お気に入りなんです^^こんな駄作でも素敵だと言って頂けて本当に嬉しいです。ありがとうございます! (2021年11月30日 20時) (レス) id: 82584e8201 (このIDを非表示/違反報告)
きなりんご - え、スッキいいいいいいい(クソデカボイス) (2021年11月18日 17時) (レス) @page20 id: 0cb8f7fc33 (このIDを非表示/違反報告)
しゅが〜 - めっちゃ好きです! LINEの返信くるの待ってるの可愛い過ぎるし、想像したらめっちゃ笑えますw こんな素敵な作品ありがとうございます! (2021年11月14日 10時) (レス) @page10 id: 8796ade977 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ふるぽて | 作成日時:2021年11月11日 20時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。